大阪公立大学とダナフォームの新たな取り組み
大阪公立大学と株式会社ダナフォームは、コンゴ民主共和国の国立生物医学研究所(INRB)と協力し、エボラウイルス病(エボラ出血熱)に迅速に対応できる診断システムの開発に取り組んでいます。このプロジェクトは、特にブンディブギョウイルス(BDBV)による流行に対応するために設計されており、公益団体であるグローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)の支援を受けています。
エボラウイルス病とは?
エボラウイルス病は高い致死率を誇る感染症で、何度もアフリカでの流行が報告されています。特にインフルエンザウイルス属のひとつであるBDBVは、異なるワクチンや診断法が必要とされるため、迅速かつ正確な診断法を開発することが求められています。現在の流行地域では、限られた資源とともに、迅速な検査を行うための技術が重要視されています。特に、感染の有無をすぐに確認できる高感度の技術が期待されています。
迅速診断の重要性
この新しい研究開発の主な目的は、エボラウイルス病の初期兆候を見逃さず、早期の隔離や治療を可能にすることです。特に患者近くでの迅速な検査が可能な技術は、感染拡大を抑制し、公共の健康を守るための重要な手段となります。これまでの長い研究において、迅速診断技術の必要性が増しており、このプロジェクトがもたらす可能性に大きな期待が寄せられています。
開発体制の構築
本プロジェクトの開発体制は、2026年5月にWHOがBDBVによるエボラウイルス病のアウトブレイクを「公衆衛生上の緊急事態」と宣言した後、迅速に立ち上げられました。ダナフォームが開発する携帯型の核酸検査プラットフォーム「GenPad」を用いることで、電源が整備されていない現場でも使用可能な設計を実現しています。これにより、短期間で高精度の検査キットが作製され、実験室での評価でも目標性能が確認されました。
100日ミッションへの貢献
本プロジェクトは、WHOが設定した「100日ミッション」に基づいています。これは、新興感染症の発生を確認してから100日以内に診断薬や治療薬を整備することを目指す国際的な目標であり、研究チームはこの目標を達成すべく着実に進捗を見せています。この一連の活動は、産学官の連携を強化し、国際共同研究の重要性を示す事例でもあります。
GenPad Smart BDBVの特徴
携帯型迅速診断システムの「GenPad Smart BDBV」は、小型で軽量(460g)な設計が特徴です。電池駆動式で、高感度のPCR技術を用いており、一度の充電で8回の検査が可能です。採血から約30分で結果が判定されるため、早期の対応が求められる現場での利用に適しています。また、複数のデバイスがクラスター化されることで、同時に多くの検査を行うことも可能です。
これからの展望
今後、研究チームはさらなる性能向上を目指し、臨床検体での評価も進めていく予定です。最終的には、BDBVだけでなく、他のエボラウイルスの識別も可能なマルチプレックス版の検査キットの開発も視野に入れています。このように、大阪公立大学とダナフォームの新しい取り組みは、感染症対策の未来を切り拓く重要なステップとして注目されています。今後の展開が期待されます。