西之島の植物生育
2026-07-17 14:04:18

西之島の新たな生態系形成を見守る、植物の生育確認

西之島の生態系の変遷



東京都立大学の村上将希特研究員を中心とする研究チームが、2025年7月に西之島へ上陸し、重要な発見を報告しました。2013年から2020年にかけて行われた大規模噴火によって、この孤立した海洋島では既存の植生が完全に消失したものの、今回は初めての植物の生育が観察されました。具体的には、コケ植物の「ユミダイゴケ」とシダ植物である「イワヒメワラビ属」と「タマシダ属」の2種が発見されています。

調査の経緯と発見



研究者たちは噴火後の環境がどのように生態系を形成していくかを探るために、西之島に上陸しました。環境省の指導のもと、限られた調査時間の中で植物体を見つけ、試料を採集しました。これらの植物は、火山礫や火山灰堆積地で確認され、匂いが強くて色鮮やかな姿が特徴でした。特にシダ植物は約1cmの幼い胞子体ということで、近年の植物侵入の実例として重要です。

西之島の独特な環境



西之島は、父島から約130km離れた場所に位置し、周辺にほとんど陸地がない孤立した環境です。このような場所では生物の移入が極めて困難であり、噴火後にどのように植生が回復するのかは全くの未知でした。研究結果は、生態系がリセットされた後、どのように植物や動物が新たな環境に出現し、定着していくのかを観察できる「自然の実験場」として西之島が注目されることを意味しています。

植物の生育と生態系の形成



発見されたコケとシダは、それぞれ胞子による長距離分散能力を持ち、乾燥や強い日射、栄養貧弱な環境でも生息できる特性を備えています。このような植物が新たに形成された火山地形で成育することは、生態系の形成に向けた重要な第一歩といえるでしょう。植物の定着が進むことで、新しい生物群集が形成されていく期待が高まります。

今後の展望



今後の研究では、このコケとシダ植物が繁殖し、さらなる植物群落への発展が見込まれています。また、アイスランドやインドネシアのような国外の島におけるケーススタディと比較しながら、西之島独自の要因が生態系形成に及ぼす影響を探ることが必要です。

研究チームは継続的に観察を行い、海洋島における一次遷移や生態系形成のメカニズムを解明していく意向です。これらの成果は、我々にとって西之島という特殊な環境下での生物多様性の保全に寄与する可能性を秘めています。


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