エス・エム・エス、埼玉県白岡市の介護予防・フレイル対策事業を2年連続で受託 - 健康寿命延伸に向けた多角的な取り組み

株式会社エス・エム・エス（本社：東京都港区、代表取締役社長：後藤夏樹、東証プライム）は、埼玉県白岡市（市長：藤井栄一郎）の「令和6年度白岡市高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施事業」を昨年度に続き2年連続で受託したことを発表しました。

本事業では、高齢者が自身の健康状態に関心を持ち、フレイル予防・介護予防に取り組むきっかけを提供することを目指します。具体的には、通いの場等を活用したフレイル予防教室の開催や、医療専門職による個別支援を実施することで、健康寿命の延伸を目指します。

社会背景：深刻化する少子高齢化と健康寿命延伸の重要性

少子高齢化の進行は、社会保障費の増大と生産年齢人口の減少をもたらし、日本経済を支える現役世代の負担を大きくしています。この課題を解決するためには、健康寿命の延伸が不可欠です。国は2019年に「健康寿命延伸プラン」を策定し、2040年までに男女とも健康寿命を3年以上延伸することを目標に掲げています。

介護予防・フレイル対策は、健康寿命延伸に向けた重要な取り組みの一つです。フレイルとは、加齢とともに体や心の働き、社会的なつながりなどが弱くなった状態を指します。国の調査では、要支援と認定された人の「介護が必要となった主な原因」のうち、「高齢による衰弱」が関節疾患に次いで高い割合を占めていることから、各自治体には対応が求められています。

白岡市の状況：高齢化率の増加と介護予防対策の必要性

白岡市の人口は5万2,549人、そのうち65歳以上の人口は1万4,911人、高齢化率は28.4％となっています。全国平均とほぼ同等ですが、2025年には28.9％、2040年には32.8％に達すると見込まれており、今後も高齢化が進むことが予想されます。そのため、介護予防やフレイル対策の必要性はますます高まっています。

白岡市では、高齢者の介護、フレイルや認知症の進行予防等の事業に取り組んできました。さらに、これらの課題対応を加速させるために、2022年から「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施事業」に取り組んでいます。

エス・エム・エスの取り組み：多様な専門職とネットワークを活かした包括的な支援

エス・エム・エスは、コミュニティ運営や人材紹介等のサービス提供を通じて、管理栄養士や看護師、保健師、ケアマネジャー、理学療法士など多様な専門職や医療従事者とのネットワークを形成しています。

これまで、認知症の予防・改善等を目指すWebプログラム「認トレⓇチャレンジ」の提供や、専門トレーナーが認知機能エクササイズを行う予防教室を実施してきました。また、仙台市や練馬区などの自治体と連携した介護フレイル予防教室も多数開催しており、高齢者の介護フレイル予防に貢献してきました。さらに、健康保険組合や自治体に向けたサービスとして、オンラインを活用した「特定保健指導サービス」や「重症化予防サービス」を提供しています。

白岡市高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施事業

エス・エム・エスは、これらの実績とノウハウを活かし、白岡市の「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施事業」を受託しました。本事業は、通いの場等を活用したフレイル予防教室の開催（ポピュレーションアプローチ）と、健康状態不明者や生活習慣病の重症化のおそれがある高齢者に対する個別支援（ハイリスクアプローチ）の2つから構成されます。

1. 通いの場等への積極的な関与等（ポピュレーションアプローチ）

通いの場等を活用したフレイル予防や口腔ケア、栄養指導、体力測定など多様なフレイル予防教室を開催し、健康相談等を行います。プログラム内容は、エス・エム・エスの理学療法士など医療専門職が監修しており、それぞれの通いの場に合ったプログラムを選択できます。教室終了時には参加者へアンケートを実施し、フレイルへの理解度や今後のフレイル予防への取り組み意向、満足度等を収集することで、効果検証を図ると共に教室内容のブラッシュアップにつなげます。

2. 高齢者に対する個別的支援（ハイリスクアプローチ）

医療専門職が健康状態不明者や生活習慣病の重症化のおそれがある高齢者に対して、自宅訪問とオンライン面談を組み合わせた相談・支援を行います。

具体的には、事前の案内に対し反応がなく、連絡が取れない方に対して、エス・エム・エスの理学療法士がご自宅を巡回訪問します。心身の状態や住環境に問題がないか等を確認し、場合によっては改善に向けた運動指導や医療機関・介護サービスへの接続等を実施します。

対象者との面談にはオンラインで管理栄養士や保健師など複数の医療専門職が参加するため、栄養面や医療面でのケア、行政サービス・制度の紹介など対応の幅が広がります。また、問題を見過ごさずチーム間でのスピーディーな連携が可能になるなど、様々な面からのサポートが可能です。