モルフォとEARTHBRAINが開発した新技術で施工業務が革新へ
株式会社モルフォが開発した、新しい施工管理技術『削孔位置画像計測システム Quick Drafter』は、コンクリート削孔作業を効率化し、業務の負担を大幅に軽減します。今回の取り組みは、モルフォとライト工業、EARTHBRAINの三社が協力し、AIと画像処理技術を駆使したものです。
背景と必要性
日本のインフラは、高度経済成長期に整備されたため、現在多くの設備が老朽化しています。国土交通省は、災害時における交通障害を防ぐため、橋梁の耐震補強工事を進めています。その一環として、落橋防止装置を取り付けるために、正確な孔位置の計測と図面化が求められています。
従来の方法では、削孔位置の計測は人手に頼っており、時間がかかり、ミスが起こることも少なくありません。また、複雑な現場状況により、設計通りに作業を進めることが難しい場合も多いのです。このような課題を解決するために、Quick Drafterは開発されました。
削孔位置画像計測システム Quick Drafterの特徴
本システムの主な機能は、スマートフォンのカメラを使用して現場の画像を取り込み、自動で削孔位置を計測し、図面化することです。施工現場では、鋼製ブラケットの外周線を引き、四角いタグを設定するだけで、スマートフォンから画像をアップロードし、数分で結果を得ることが可能です。これにより、従来の測定が70%も短縮されました。
また、AIによる画像処理技術を利用することで、物理的なサイズの正確な測定が実現されます。特に、既設の鉄筋と干渉しないようなコンクリートの削孔が求められる現場では、エラーを防ぎ、ミスによる金銭的な損失を回避することができます。
技術的なブレイクスルー
Quick Drafterの成功を支えるのは、その高度な技術力です。スマートフォンのカメラにはキャリブレーション機能が搭載されており、個々のレンズの特性による誤差を補正します。また、画像補正機能により、現場での撮影条件に応じた調整が自動的に行われ、正確なデータが取得できます。これにより、斜めから撮影された画像でも、正面からの視点で計測が可能になります。
将来の展望
ライト工業は、現在、受注している橋梁耐震補強工事の現場に、このシステムを展開しています。さらに、改善点を探りながら、今後は外部への販売を検討しており、業務部門のデジタル化を推進します。
モルフォも引き続き、AIと画像技術を駆使して建設業界の業務効率化を支援し、さらなる技術革新を目指しています。このような取り組みが進むことで、インフラ設備の保守・管理がより効率的に進み、国全体の安全性向上にも寄与することでしょう。
会社情報
株式会社モルフォ
- - 所在地: 東京都千代田区神田錦町 2-2-1 KANDA SQUARE 11階WeWork内
- - 代表者: 平賀 督基(博士)
- - 設立: 2004年5月26日
- - ウェブサイト: モルフォ公式
ライト工業株式会社
- - 所在地: 東京都千代田区九段北四丁目2番35号
- - 代表者: 阿久津和浩
- - 創業: 1943年7月1日
- - ウェブサイト: ライト工業公式
株式会社EARTHBRAIN
- - 所在地: 東京都港区六本木一丁目6番1号 泉ガーデンタワー 29階
- - 代表者: 小野寺 昭則
- - 資本金: 368.7億円
- - ウェブサイト: EARTHBRAIN公式