デザイナーの生前葬
2023-08-21 08:00:01

人生のフィナーレを祝う?50歳デザイナーが開催する「生前葬」の真意とは?

50歳デザイナー、人生の区切りに「生前葬」を開催



2023年8月27日、ホテルイースト21東京で、異色のイベントが開催されました。それは、棺桶デザイナーである布施美佳子さん(50歳)が自身主催の生前葬です。

幼少期から希死念慮を抱え、若くして亡くなった友人知人の多さから、人生の区切りとして50歳での生前葬を計画。オリジナルデザインの葬儀ブランド「GRAVE TOKYO」を手がける布施さんにとって、この生前葬は単なる弔いの儀式ではありません。「人生の披露宴」と位置づけ、約120人の友人知人を招き、自身の人生観や「可愛い葬儀」の世界観を披露する場となりました。

「可愛い葬儀」を提唱するGRAVE TOKYO



2015年に骨壺ブランドとしてスタートしたGRAVE TOKYOは、2022年に棺桶中心のブランドへと転換。ラフォーレ原宿や横浜ビブレなどでも展示会を開催するなど、その独創的なデザインは多くの注目を集めています。さらに、東京都江東区のアトリエでは入棺体験ワークショップを定期的に開催しており、NHKやTBSなど数々のメディアにも取り上げられています。

生前葬の真意:自己肯定感の向上



布施さんが生前葬に込めた想いは「自己肯定感」の向上にあります。昨今、「人生100年時代」と言われる中、人生のゴールが見えにくくなっている現状を憂慮。「仮のゴール」を設定することで、その後の人生をより豊かに生きることができるのではないかという考えから、今回の企画に至りました。

実際、昨年行われた20名規模の「生前葬リハーサル」では、プロの納棺師による納棺式で参列者から送られた温かい言葉が、布施さんの自己肯定感を大きく高める結果に。「死んだ後に聴くのはもったいない!」と語るほど、その言葉は感動的だったといいます。

GRAVE TOKYOとYOMI Internationalが共催する入棺体験ワークショップでも、参加者から「自己肯定感が上がった」という声が多数寄せられています。このワークショップでは、参加者の外面や内面、生き様を褒め称えることで、自己肯定感を高めることを目指しています。

新しい弔いのカタチ:人生の披露宴



布施さんは今回の生前葬を「人生の披露宴」と表現します。前半では、参列者にも入棺体験や遺影撮影をしてもらい、葬儀を自分ごととして捉えてもらう機会を設け、後半はプロの納棺師による納棺式とGRAVE TOKYOの新作棺桶のお披露目を行いました。料理は、参列者へのヒアリングを基に「人生の最期に食べたいもの」をメニューに反映。細部までこだわった新しい弔いのカタチを提案しています。

日本トレンドリサーチの調査によると、生前葬を「やってみたい」と考える人は8.5%にのぼります。団塊の世代とその後の世代にとって、終活や弔いへの考え方は大きな転換期を迎えていると言えるでしょう。生前葬は、結婚披露宴のように、新たな弔いの文化として根付いていく可能性を秘めていると言えるかもしれません。

まとめ:自己肯定感を高め、前向きに生きるための生前葬



布施美佳子さんの生前葬は、単なる死の儀式ではなく、人生を肯定し、自己肯定感を高め、より前向きに生きていくための新たな試みと言えるでしょう。その取り組みは、現代社会における弔いの在り方や、自己肯定感の重要性について改めて考えさせるものです。

会社情報

会社名
YOMI International株式会社
住所
東京都江東区森下1-11-8-2F
電話番号

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