企業内ハラスメントの実態と悪用事例に迫る調査結果を発表

企業内ハラスメントの実態調査結果

近年、企業におけるハラスメントに関する問題は深刻さを増しています。パーソルグループの中途採用サービス『ミイダス』を運営するミイダス株式会社が実施した調査によれば、経営者や中間管理職の約8割が、ハラスメントに関する指導や処分を受けた管理職を目の当たりにした経験があると回答しています。この調査は、200名の経営者・役員および部下が3名以上いる中間管理職200名を対象に行われ、企業内におけるハラスメントの実態やその悪用事例に関する詳細が明らかになりました。

調査の主な結果

経営者・管理職の意識

調査の結果、経営者や中間管理職のそれぞれ79%および77.5%が、ハラスメントの指導を受けた管理職を見聞きした経験があることが確認されました。その中には「何度もある」とする回答がそれぞれ25.5%と19.0%に上り、ハラスメント問題の実態を裏付けています。

ハラスメントの悪用事例

さらに、経営者の73.5%、中間管理職の67.5%が、ハラスメントを悪用した事例が発生した、または発生しそうになったと回答しました。中でも注目すべきは、「人間関係のトラブルをハラスメントと偽る」という事例が最も多く挙げられ、経営者では37.0%、中間管理職では29.5%となっています。これらの結果は、ハラスメントの定義が曖昧な場合に、意図的にそれを悪用するケースが存在することを示しています。

指導や処分に対する意識

また、ハラスメントに関する指導や処分があった場合、その受け入れについての意識も調査されました。中間管理職の65.8%が「当然の措置だと思った」と回答しており、経営者よりも高い割合となりました。一方、経営者の55.7%は同様に考えつつも、可哀想だという同情的な感情も抱いていることが示されました。

実際の事例

調査には、企業からの具体的な悪用事例も挙げられました。たとえば、「部下が上司を怒らせるような言動をわざと繰り返し、対応を隠して録音した」というケースや、「ハラスメントを盾に新たに配置された上司を排除しようとしている」という事例が報告されています。こうした事例は、ハラスメントの誤用が組織内の人間関係に深刻な影響を及ぼすことを示しています。

問題の背景と解決策

調査結果を踏まえると、企業におけるハラスメントの取り扱いやその適切な教育が不可欠であることがわかります。労働環境の健全化を進めるためには、ハラスメントの申し立てが真実かどうかを確認するための体制を整えることが重要です。また、職場内でのコミュニケーションを円滑にし、正しい知識を広めることで、ハラスメントの予防を図る必要があります。

今後も企業は、ハラスメント防止のための教育やシステムの強化を進め、健全な職場環境を実現するための取り組みを継続することが求められるでしょう。