高校生主体のメディアリテラシー育成プログラムが始動
2023年8月31日、国立大学法人愛知教育大学が中心となり、第2期の「フェイクニュース時代のメディアリテラシー育成プログラム」がオンラインで開始されました。このプログラムは、三菱みらい育成財団からの助成を受けており、高校生、学校教員、大学生、報道関係者、研究者などが集結し、2025年まで3年間の長期にわたって実施されます。
日々、SNSやインターネット上で急速に拡散されるフェイクニュースが社会問題化する中、正確な情報を見極める力が求められています。特に、デジタルネイティブ世代である高校生が主体となるこのプログラムは、自らのメディアリテラシーを高めていくことを目指しています。彼らは、授業を創造し、フェイクニュースに惑わされないための情報の見極め方を学んでいくのです。
キックオフの当日は、台風の影響によりオンライン開催となりましたが、約82名が参加し、盛況を博しました。教授によるレクチャーでは、偽情報や誤情報の定義、日本における拡散状況、バイアスの影響、フィルターバブルやエコーチェンバーなど、現代のメディア環境について深く掘り下げられました。受講生たちは、その後小グループに分かれ、フェイクニュースの影響や課題について意見を交換しました。
参加者の一人である岡山県立岡山南高等学校の学生は、昨年度の授業でSNSの炎上事例を取り上げ、情報リテラシーの重要性を実感したことを語りました。「単に炎上を恐れるのではなく、激論を交わし、解決策を見出すことが大切だと気づきました」と、彼は述べています。今年度は、更なる実践を通じて激論の重要性を体感させることを計画しています。
また、関東学院六浦高等学校の学生は、昨年度の経験から、生徒が自主的に授業を構築することの重要性を強調しました。新たに増加した参加者と共に、チームでの教材制作を進めていく中で、リーダーシップや協力の精神を学べる機会にもしたいと意気込みを述べました。
この育成プログラムを通じて、高校生たちがメディアリテラシーを高め、フィルターバブルや誤情報に対抗する力を養っていく姿が期待されます。来年2月には、「2024年度プロジェクト報告会」が開催予定で、その際には各学校での授業案の進捗や成果が共有される予定です。これを契機に、彼らの学びと成長がさらなる広がりを見せることでしょう。
キックオフイベントの流れ
- - 開会
- - レクチャー「フェイクニュース時代のメディア情報リテラシーの学びとは?」
- - 開発者同士の顔合わせ
- - グループディスカッション
- - 各グループの発表
- - 閉会
大阪、中部、東京など全国の教育機関が参加し、広範なネットワークが構成されています。フェイクニュースが蔓延する現代において、高校生たちのメディアリテラシーがどのように進化していくのか、今後の展開に注目です。