モデルナが発表した季節性インフルエンザワクチンの第3相試験の成果

モデルナ、季節性インフルエンザワクチンの第3相試験を発表



2025年6月30日、モデルナ(NASDAQ:MRNA)は米国マサチューセッツ州ケンブリッジにおいて、季節性インフルエンザワクチンであるmRNA-1010についての第3相試験(P304)の結果を発表しました。この試験は、50歳以上の成人を対象に、モデルナの新しいワクチンと既承認のワクチンを比較して、その有効性を評価したものです。

良好なワクチン有効性



試験の結果、mRNA-1010は定められた厳しい基準を満たし、全体集団に対する相対的ワクチン有効性(rVE)は26.6%と報告されました。特に、各インフルエンザ株に対する有効性も高く、A/H1N1株に対しては29.6%、A/H3N2株では22.2%、B/Victoria系統では29.1%の有効性が確認されました。これらの結果は、年齢やリスク因子、過去のワクチン接種歴にかかわらず一貫して良好で、特に65歳以上の被験者のrVEは27.4%に達しました。

ワクチンの重要性



モデルナのCEOステファン・バンセルは、「今回のデータは、高齢者におけるインフルエンザの疾病負荷を軽減するための重要なマイルストーンです」と述べ、現在のインフルエンザの流行がより効果的なワクチンの必要性を示していると強調しました。また、mRNA技術を用いることで流行株に迅速に対応可能であり、今後のインフルエンザパンデミックに対する準備が整うという期待も表明しました。

試験のデザインと参加者



このP304試験は無作為化・盲検方式で行われ、11ヵ国から40,805人の成人が参加しました。被験者はmRNA-1010または既承認の季節性インフルエンザワクチンのいずれかを接種し、中央値で6ヵ月間の追跡調査が行われました。

安全性と忍容性



mRNA-1010の安全性については、過去の試験結果と整合性があり、多くの副反応は軽度でありました。主な副反応には注射部位の疼痛や全身の疲労、頭痛、筋肉痛が含まれ、重大な有害事象については比較群間に明らかな差は見られませんでした。

今後の展望



モデルナは、これらの試験データをさらに学会などで発表し、査読付きの学術誌への投稿を予定しています。また、mRNA-1010の承認を目指し、各国の規制当局と協議を進めていく方針です。

mRNA技術の未来



モデルナはmRNA医薬品のリーダーとして知られており、これまでの研究から新型コロナワクチンの開発に成功した実績があります。今後も感染症やその他の疾患に対する新しい治療法やワクチンの開発に挑戦し続け、医療の進歩に貢献することが期待されています。

詳しくは、モデルナの公式ウェブサイト(modernatx.com)を訪れてください。

会社情報

会社名
Moderna, Inc.
住所
200 Technology Square CambridgeMassachusetts
電話番号
617-714-6500

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