日立とSAPが進める製造業のデジタル化
株式会社日立製作所がSAPジャパンと共に開発した新しいソリューションは、製造業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速します。このソリューションは、生産計画と製造実績の差異をリアルタイムで可視化する機能を備えており、製造業の効率化において重要な役割を果たすことを目指しています。
ソリューションの概要
日立は、SAPのERP「SAP S/4HANA® Manufacturing for Production Engineering and Operations(PEO)」と、同社の「Hitachi Digital Solution for Manufacturing(HDSM)」を連携させ、この新しいソリューションを形成しました。このシステムは、製造現場のさまざまなデータをシームレスに接続し、発生した差異をリアルタイムで視覚化するものです。これによって、現場での「ムリ・ムラ・ムダ」の分析が迅速に行えるようになり、PDCAサイクルの加速とともに、高効率な生産体制を確立することに寄与します。
デモでは、HDSMにスマートデバイスを利用し、集めた実績データをSAPのPEOソリューションに反映させる流れも直接見ることができました。これにより、データの一元管理が実現し、製造現場の効率性が向上します。
DX推進に向けた取り組み
日立は、この新しいソリューションを通じて、製造業の顧客がDXを進める手助けをしています。また、顧客のデジタルイノベーションを加速させるために「Lumada」ソリューションを活用したコンサルティングも行っており、システムインテグレーションから運用・保守に至るまでのビジネスプロセス全般に寄与しています。これにより、顧客はより効率的に業務を運営できるようになります。
利用者からの反応
SAPジャパンのバイスプレジデントである高橋正直氏は、このソリューションが製造業のお客様にとって、製造現場の情報とERPが連携できる重要性を強調しました。「これにより、マネジメント業務の向上や業務横断的なDX推進が実現でき、日本の製造業界の競争力強化に貢献できることを嬉しく思っています」と述べています。
共同セミナーの開催
日立とSAPは、工場のDXについてのオンラインセミナーを開催します。参加者は、実績を計画に反映するPDCAサイクルの重要性や、ERPやIoTを連携させた効率的な生産方法について学ぶことができます。2024年9月には東京と大阪で行われる予定です。詳細や参加申し込みは公式ウェブサイトでご確認ください。
まとめ
日立とSAPジャパンが手を組んで構築したこのリアルタイム可視化ソリューションは、製造業界にとっての新たな可能性を切り開くものです。今後、製造業のデジタル化が進む中で、このソリューションがどのように活用されていくのか注目が集まります。これからの製造業において、データのシームレスな連携と効率的な運用が見込まれ、より競争力のあるビジネス環境が形成されることが期待されます。