三菱電機グループ、NeurIPS2024での研究成果を発表
三菱電機株式会社は、グループ内の研究員による論文がAIと機械学習の国際会議「NeurIPS2024」にて採択されたことを発表しました。採択された論文は3件あり、同カンファレンスは2024年12月10日から15日にかけてカナダのバンクーバーで開催されます。本年度は1万5千件以上の投稿の中からおよそ25%の論文が選ばれ、特に質の高い研究が更新されています。
採択された論文の概要
1. RETR: Multi-View Radar Detection Transformer for Indoor Perception
著者: 谷髙竜馬(三菱電機)、Adriano Cardace(ボローニャ大学)、Pu Wang(MERL)他
この研究では、レーダーを利用した屋内の物体検出手法を提案しています。従来の技術では精度が低いという課題がありましたが、新たに開発したRadar Detection Transformer(RETR)により、複数のレーダーとカメラのデータを組み合わせることで精度を大幅に向上させることに成功しました。これは、プライバシーを考慮しつつ、高い信頼性が要求される室内監視等の場面において重要な技術となります。
2. Learning to compute Gröbner bases
著者: 計良宥志(千葉大学)、石原侑樹(日本大学)、神戸祐太(三菱電機)他
機械学習により、数学的な問題でも高速な解法が期待できることが示されました。本論文では、特にグレブナー基底と呼ばれる問題に着目し、従来の手法よりも迅速な計算が可能なモデルを開発しました。これは様々な応用が期待される画期的な成果です。
3. Evaluating Large Vision-and-Language Models on Children’s Mathematical Olympiads
著者: Anoop Cherian(MERL)、Kuan-Chuan Peng(MERL)他
この研究では、大規模視覚言語モデルの性能を子供向けの数学コンテスト問題に対して評価しました。高学年向けの問題で比較的良好な成績をあげる一方、低学年問題で苦戦する結果が示され、異なる年齢グループ間での推論の違いが浮き彫りになりました。
MERL主催ワークショップの開催
NeurIPS2024において、MERLが主催する「マルチモーダルアルゴリズム推論ワークショップ」が行われる予定です。このワークショップでは、ニューラルアルゴリズム学習やマルチモーダル推論に関する最前線の研究が発表され、AIの発展におけるギャップを理解するためのディスカッションが行われます。
まとめ
このように、三菱電機グループは先端技術の研究開発を通じて、持続可能な未来への貢献を視野に入れています。AIと機械学習の領域において新しい知見を加え、次世代の技術革新に寄与することが期待されています。今後の発展に目が離せません。