タンガロイとゼネテックの新たな挑戦
大手の切削工具メーカーとして名高いタンガロイと、東京都新宿区を拠点にするゼネテックが、画期的な共同プロジェクトを発表しました。両社は「Mastercam」を駆使し、B軸加工を用いてチェスの駒を制作する動画を配信することを目指しています。
B軸加工の魅力
本プロジェクトでは、B軸加工が重要な役割を果たします。B軸加工は、工具の角度を自動で制御し、複雑な曲面を一つの経路で仕上げる方法で、その利点は多岐にわたります。加工時間の短縮や段取り替えの時間削減、さらには特殊工具を使用しなくても良くなる点が挙げられます。
加工対象として選ばれたチェスの駒は、立体的かつ滑らかな表面を持ち、多様な形状が求められるため、B軸加工の特性を生かせる最適な題材です。具体的には、円筒形を基本にした駒のふくらみや繊細な装飾が特徴です。これらの形状を実現するためには、工具の姿勢を最適化することが重要で、この点でもB軸加工は特に効果的です。
動画配信と展示計画
この共同プロジェクトの成果物は、10月に公開予定のチェスの駒の作成動画として、ゼネテックとタンガロイのYouTubeチャンネルを通じて視聴可能になります。具体的には、「キング」と「クイーン」の駒を題材にした作品が紹介される予定です。
公開先は以下の通りです:
また、製作したチェスの駒や盤は、2025年10月に開催される「メカトロテックジャパン2025」にて展示される予定です。このイベントは、ポートメッセ名古屋で行われ、業界内外から注目が集まることが期待されています。
製造現場の魅力を発信
ゼネテックとタンガロイは、今後もチェスの駒と盤の製作プロセスををシリーズとして発信し、普段は目に触れにくい製造現場の魅力を広めていく計画です。技術的な挑戦と研鑽を重ねつつ、産業界での生産性向上に寄与する姿勢を貫いていきます。
Mastercamの力
「Mastercam」は、1984年にアメリカのCNC Software社により開発された世界シェアNo.1の3D-CAD/CAMシステムです。日本国内ではゼネテックが正規代理店としてサポートを行っており、幅広い加工ニーズに応える強力な機能を有しています。この技術を駆使することで、精密な作業と効率化を両立させているのです。
タンガロイとゼネテックの企業情報
- - タンガロイは、1950年に設立され、福島県いわき市を拠点に粉末冶金製品や超硬工具を製造・販売しています。公式ウェブサイトはこちら。
- - ゼネテックは、1985年に設立され、システムソリューション業務を中心に、製造業向けの効率化・生産性向上に貢献しています。公式ウェブサイトはこちら。
この新たなプロジェクトが業界に与える影響は大いに期待されており、今後の活動から目が離せません。