Intellectual Highwayが新たに100Gbps RDMA IPを投入！低遅延でストリーム転送を実現

新たなRDMA IPの登場

Intellectual Highway株式会社（本社：神奈川県横浜市/代表取締役：貞末多聞）は、最新の100Gbps RDMA (RoCEv2) IPを発表しました。この製品は高帯域なセンサーデータをFPGA上でプロトコル化し、CPUを使用せずにリモートメモリの転送を実現します。これにより、特にAI分野や映像技術などで必須とされる高帯域・低遅延のメモリ転送を可能にします。

RDMA技術の重要性

近年、AIの学習用データセンター内では、高速で低遅延のメモリ転送が不可欠であり、RDMA（Remote Direct Memory Access）技術はその答えといえるでしょう。この技術を用いることで、CPUのパワーを消費することなくメモリ転送が行えるため、データ転送が高効率で行えるようになります。

特に、半導体製造分野や高画質映像データを非圧縮で送信する映像分野、さらには医療機器においても、RDMAの利点が活かされています。FPGAなどの組込みデバイスを利用することによって、より柔軟かつ効率的なデータ転送が可能になるのです。

RDMAのメリット

RDMAの最大の利点は、データの転送時にCPUパワーを消費しない点です。従来の通信プロトコル（TCP、UDP、RTPやGigE Visionなど）では、受信されたデータパケットをCPUが処理しなければならず、この過程で高帯域な転送では大量のCPUリソースが求められ、高価格なマシンが必要でした。

これに対し、最近ではAIやHPC（高性能計算）分野においても、RDMAに対応したNIC（ネットワークインターフェースカード）が入手しやすくなったことで、RDMAの活用が一般化してきています。この流れは、他の分野でも次第に広がっています。

組込み向けの特長

Intellectual Highwayは、特に組込み用途に特化したRDMA (RoCEv2) プロトコルを実現するIP（Intellectual Property）を開発しました。このIPは、メモリ経由の転送に加えて、ストリーム入力出力インターフェースも備えています。このインターフェースにより、1マイクロ秒未満の超低遅延なデータ転送が可能となります。また、コネクションマネージメント機能をCPUを利用せずに実現しているため、使用の幅が広がります。

このIPは、データ入出力形式としてDRAM経由、ストリーム入出力、PCI-express経由の3通りに対応し、さまざまなシナリオで活用可能です。

主な仕様

以下は、Intellectual Highwayの新しいRDMA IPの主な仕様です：

- プロトコル: RoCEv2, ARP, ICMP (Ping)
- コネクション管理: Communication Management Message利用
- コネクションタイプ: Reliable Connection, Unreliable Connection, Unreliable Datagram
- オペレーション: SEND (with Immediate), RDMA WRITE (with Immediate), RDMA READ
- 最大キューペア数: 1 – 4096 (configurable)
- フロー制御: PFC対応, VLAN/PCP タグによる制御
- 輻輳制御: ECN (Explicit Congestion Notification), CNP対応, レート制御可能
- スループット: 100Gbps ワイヤレート（FPGA実装時）
- 対応デバイス (FPGA): Altera Stratix-10シリーズ, Agilexシリーズ, AMD Alveo(UltraScale+)シリーズ, Versalシリーズ、DDR, HBMどちらにも対応