国際NGOプラン・インターナショナルは、8月19日の「世界人道デー」を記念して、思春期の女の子と若い女性15人が描いた報告書「彼女たちが描く、新しい世界」を発表しました。この報告書には、彼女たちの希望の未来のビジョンや現状の課題、必要なアクションが詳細に記されています。この日は、世界中で人道危機に直面している人々への連帯が呼びかけられており、報告書の発表はその意義を深く感じさせるものとなっています。
報告書では、未来に実現すべき社会像として、暴力や差別のない環境で全ての若者が尊厳と機会を享受できる姿が描かれています。彼女たちの提言が広く採用されれば、2055年にはその実現が可能だとしています。「変化を提唱するには、未来の女の子が望む世界を想像しなければならない」というルワンダ出身の若者の言葉からも、彼女たちの夢の実現にかける希望が感じられます。
報告書は、2055年を舞台にした希望に満ちたストーリー形式で進められていますが、描かれる未来は常に明るいものだけではありません。多くのストーリーは、30年後に彼女たちが直面しうる現実の戦いや、それに立ち向かう希望をリアルに描写しています。報告書を通じて、教育とテクノロジーにおける平等、ジェンダーに基づく暴力(GBV)、性と生殖に関する健康と権利(SRHR)、そして危機下の女性たちへの支援などが中心テーマとして取り上げられています。
特に、教育分野では、全ての女の子が質の高い教育を無償で受けられる環境を整え、ジェンダー平等を推進することが強調されています。さらに、職業選択の自由や、STEM分野での平等な機会の提供も求められています。また、GBVに対しては、その撲滅と社会的な容認の排除が訴えられ、法律整備の重要性も指摘されています。
さらに、報告書の中では、女の子たちがリーダーシップを発揮できる環境づくりや、多様性を受容する社会の大切さにも触れています。連帯感や世代間の意識を高め、全体の社会意識を共有することで、より良い未来を築くことが可能であると強調されています。
加えて、プラン・インターナショナルは報告書のリリースに合わせて、関連イベントも開催します。8月20日には、TICAD9の一環としてナイジェリアから来日する若者が危機状況下における教育についてスピーチを行います。また、8月30日には、「声をつなげて未来を変える」というストーリーセッションが共催され、参加者が集まり未来のビジョンについて意見を交わします。
この報告書は、私たちに未来を考え、今行動する重要性を訴えており、決して夢想ではない実現可能なビジョンを持つことが求められています。女の子たちが描く未来の物語を通じて、私たちはその声に耳を傾け、共に行動することが求められています。彼女たちの夢が実現する日が訪れることを願っています。詳細については、プラン・インターナショナルの公式ウェブサイトで確認できます。