1,000万円超えの中古バイクが続出！750ccレーサーレプリカとホモロゲ―ションの価値とは？

2022年以降、中古バイク市場では1,000万円を超える取引が続出している。その中心となっているのが、1990年代に製造された750ccのレーサーレプリカとホモロゲ―ションバイクだ。これらのバイクは、なぜこれほどまでに高値で取引されているのか？その理由を探るため、高額取引されている5機種を紹介し、その価値について解説していく。

なぜ750ccのレーサーレプリカとホモロゲ―ションは高額なのか？

750ccのレーサーレプリカとホモロゲ―ションが、中古バイク市場で高値で取引される理由はいくつかある。

レースシーンにおける輝かしい歴史： これらのバイクは、レースシーンが最も盛り上がっていた時代に、数々の記録と記憶を残した。
限定車としての希少性： 当時、レースでの勝利を重視した結果、高額でハイスペックな限定車が数多く製造された。そのため、中古市場に出回る台数が少なく、希少価値が高い。
* 世界的な人気： これらのバイクの人気は世界中に広がっており、海外からの需要も高い。特に、近年は円安の影響もあり、海外勢が国内相場以上の金額で購入しているため、プレミアム度がさらに高まっている。

中古バイク相場の上昇と1,000万円超えの衝撃

過去10年間の中古バイク相場は、2020年までは600万円を天井としていた。しかし、2021年には、新車供給の停滞やコロナ禍による需要増加の影響で、中古バイク相場は異常高騰。1,000万円に迫る勢いを見せた。そして、2022年にはついに1,000万円の大台を突破し、さらに2023年、2024年には1,500万円を超える取引が記録されている。この記録的な高騰を牽引しているのが、1990年代に製造された750ccのレーサーレプリカとホモロゲ―ションバイクなのだ。

超高額で取引されている750ccのレーサーレプリカとホモロゲ―ション TOP 5

それでは、具体的にどの機種が史上最高値を更新し続けているのか、最高取引額のトップ5を紹介しよう。

第1位：ホンダ NR750 (1992年)

1992年モデルとして300台限定で発売されたNR750は、ホンダのレース部門であるHRCが開発したワークスマシンNR500を起源とする。NR500は、楕円ピストンを採用したV型4気筒エンジンを搭載していたが、WGPでは思うような結果を残せなかった。しかし、1987年のル・マン24時間耐久レースで、NR750がデビュー。市販されたNR750はワークスマシンのレプリカではあるものの、レーサー志向の「そのまんまレプリカ」とは異なる。スタイリングは、ツアラーにも見えるほど洗練されている。これは、ワークスマシンが輝かしい戦績を残せなかったことや、SBK参戦用のホモロゲーション機であるVFR750R（RC30）やRVF750（RC45）との差別化が必要だったためと考えられる。

NR750の最大の特徴は、楕円形ピストンを改良して量産市販化された点だ。300台限定で発売されたNR750は、バブル景気最盛期に発売されたこともあり、小売価格は520万円と、当時のHONDA製バイクで最大排気量のゴールドウイングを大きく上回る価格設定だった。

NR750が高額取引されている理由は、ワークスマシン由来の唯一無二のエンジン機構、豪華なパーツを多数採用した高額な小売価格に加え、近年では、新車供給の停滞による中古バイク相場高騰、円安とインフレによる海外勢の買い付けなどが挙げられる。

機種： ホンダ NR750
年式： 1992年
販売数： 300台（国内200台/海外100台）
当時の価格： 520万円（北米仕様：50,000$）
最大馬力： 77馬力＠11,500回転（海外仕様：130馬力＠14,000回転）

第2位：ドゥカティ 750SS (1974年)

世界的なコレクター市場が存在する1974年の750SSは、グッゲンハイム美術館での展示やシルバーマン美術館に所蔵されていた実績を持つ。オートバイの枠を超えたビンテージ価値が認められている。DUCATIの750SSは、1991年に再登場しているが、歴史的価値を有するのは401台限定で生産された1974年モデルである。

74年型750SSがお宝になっているのは、DUCATIの歴史的転換点を象徴している点にある。1970年代前半、日本車（CB750FOURやZ1）が台頭し、レースシーンでも日本車勢が強かった。しかし、1972年に「イモラ200」で、DUCATIの750 イモラデスモレーサーが優勝。この勝利を記念して、FIM世界耐久ロードレース選手権に参戦するためのホモロゲーションとして401台が生産されたのが、74年型750SSである。

超高額取引されるため、模造品も出回っている。オリジナル度が高く未使用に近いほど価値は高い。取引には、専門的な知識と高いレベルの鑑識眼が要求される。

機種： ドゥカティ 750SS
年式： 1974年
販売数： 401台
当時の価格： 北米仕様：3,200$（約96万円換算）
最大馬力： （参考値）73馬力＠8,000回転

第3位から第5位については、記事全文を公式サイトで確認してください。