バーチャル自己開示
2025-07-09 11:26:15

バーチャルコミュニケーションの進化と自己開示の新たな発見

バーチャルコミュニケーションの進化と自己開示の新たな発見



近年、オンラインコミュニケーションの普及が進む中、新たな研究がその影響を明らかにしています。特に、バーチャル空間での自己開示がリアルな対話よりも高い傾向があることが分かりました。この研究は、早稲田大学などの教育機関と企業が共同で行ったもので、自己開示を定量的に測定しています。

研究の背景と意義



私たちの生活は、教育やビジネスの場を含め、すでにオンラインへとシフトしています。自己開示は人間関係を築く上で重要な要素であるため、これがリアルとバーチャルでどのように異なるのかを理解することは、今後のコミュニケーションツールの発展にとって重要です。この研究では、リアル、ビデオ通話、リアルアバター、非リアルアバターの4つのコミュニケーションメディアを用いて、どのように自己開示が促されるかを調査しました。

研究の結果



研究の結果、バーチャル空間、特に非リアルアバターを用いた場合の自己開示が非常に高いことが判明しました。リアルとの比較では、特に感情を開示する点で約1.5倍も高かったのです。一方、ビデオ通話ではリアルと大きな差は見られませんでした。また、自己開示の程度は性別の組み合わせにも影響を受け、女性同士での対話が最も高い開示スコアを示しました。

新たなコミュニケーションの可能性



この研究が特に興味深いのは、バーチャル空間において自己開示がなぜ促されるのかという点です。非リアルアバターを使用することで、参加者はあまり意識することなく、自らの感情や思考を開示できる可能性が示唆されています。これは、ビジネスシーンや心理カウンセリングなどでの応用が期待される要素でもあります。例えば、ストレス解消に向けたカウンセリングサービスや、感情表出に向けたVRアプリケーションなどが考えられます。

今後の展望



研究の中で指摘された課題もあります。アバターの外見と実性別の不一致や、既知の間柄でのコミュニケーションにおいては、異なる結果が得られる可能性があるため、さらなる研究が必要です。また、VR技術を活用した企業のコミュニケーション手段としての実用性も認識されています。仕事の多様化が進む中、円滑なコミュニケーションを実現するための可能性が広がっています。

結論



この研究から得られた知見は、私たちのオンラインコミュニケーションの在り方を再考させるものであり、特にバーチャル空間が新たな自己開示の場として機能し得ることを示しています。自己開示は心の健康に深く関連しているため、今後の発展的な応用が期待されます。バーチャルコミュニケーションをうまく活用することで、理想的な社会の実現への道が開かれるかもしれません。これからの研究の展開に目が離せません。

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この記事は2025年6月4日の「Behaviour & Information Technology」に掲載された研究論文を基にしています。


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