名古屋に新たな緩和ケア拠点「まごころの杜」が開所し医療サービスを革新

名古屋に誕生した新しい緩和ケア拠点「まごころの杜」

2023年11月1日、名古屋市に新たな緩和ケアの拠点である「まごころの杜」がオープンします。この施設は、がん患者を中心とした緩和ケアの専門的な支援を行うために設計されたもので、名古屋大学の岩尾聡士特任教授が提唱する「IWAOモデル」を具体化したものでもあります。昨今の高齢社会において、質の高い医療を受けられる機会が求められている中で、その必要性がさらに増しています。

高齢社会の現状と医療の課題

日本は超高齢社会に突入し、医療や介護の現場では深刻な人手不足と経済的な課題に直面しています。特に、国民の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなる現状があることから、最後の看取りを行う質の高い医療を提供するための仕組みが急務となっています。多くの医療機関が急速に患者を受け入れ、退院を促す一方で、がん末期の患者に対する適切なケアが不足している状況が懸念されています。

IWAOモデルと「まごころの杜」の特徴

「まごころの杜」は、がん末期の専門医師を中心とした充実したスタッフ体制で、ほぼすべての患者に個別対応を行っています。この施設では、訪問医療と外来診療を通じて、多種類の専門医師や看護師、介護士が連携し、患者一人ひとりに最適なケアを提供します。「IWAOモデル」は、公共機関だけでなく民間企業も参加する形で、地域社会全体で支える医療の実現を目指しています。

医療・介護用の高機能な建材

この新しい施設では、アイカ工業が提供する高機能な建材を使用しています。例えば、転倒時の衝撃を吸収する床材や、消臭・抗菌効果のある壁材などがあります。高齢者や車椅子利用者に配慮した洗面カウンターや収納なども導入されており、患者が快適に過ごすための環境が整えられています。これらの工夫は、地域密着型の医療を実現するために不可欠です。