最近公開された「キャッシュレスセキュリティレポート2025年1-3月版」では、特に注目すべき問題が取り上げられています。このレポートを手がけたのは、東京都港区に本社を構えるかっこ株式会社と株式会社リンクであり、キャッシュレス決済の脅威に関する詳細な分析が行われています。
不正利用の新たな傾向
レポートによると、ライブ配信サービスにおける「投げ銭」を巡る不正利用が増加しています。具体的には、2024年以降、クレジットカードを利用して投げ銭用のコインが購入されるケースが相次いでおり、その結果、数千万円もの被害が発生しています。この背景には、デジタル商材が持つ即効性と匿名性があり、被害者が気づきにくい状況が続いています。これに伴い、本人確認やアカウント監視の強化が求められています。
さらに、情報窃取型マルウェア「インフォスティーラー」の影響も深刻です。このマルウェアはSNS広告や偽CAPTCHAなどを通じて感染し、PCやサーバーのバックグラウンドで稼働します。これにより、ログイン情報やクレジットカード情報が外部サーバーに送信され、不正利用が横行しています。証券口座の乗っ取りも行われており、今後は多要素認証やマルウェア対策の重要性がますます増すことでしょう。
カード情報流出事件の概要
レポートの冒頭では、2025年1-3月に発生したカード情報流出事件の状況が詳しく分析されています。これまでのカード情報流出事件数やその推移が示されており、業種別、商材別の流出件数にも触れています。また、インフォスティーラーによる個人情報漏洩の増加も指摘されています。
ECにおける不正利用の傾向
また、ECサイトにおけるクレジットカード不正利用被害の動向が述べられており、特に他人のクレジットカードを使用して投げ銭を購入する事例が増加しています。このような実態は、オンライン決済の安全性に対する懸念を一層深めています。
政策動向
近年のこれらの動向を受けて、日本クレジットカード協会はカード会社と連携し、フィッシングサイトの閉鎖に向けた取り組みを始めています。このような新しい取り組みが不正利用を防ぐ鍵となるでしょう。
まとめ
新型コロナウイルス感染症の影響でキャッシュレス決済が急増する中、不正利用のリスクも高まっています。2025年1-3月の「キャッシュレスセキュリティレポート」を通じて、私たちは最新の脅威に目を向け、自社のセキュリティ対策について再考する良い機会を得たのではないでしょうか。Caccoとリンクが提供するこのレポートは、業界の実態を把握するための貴重な資料です。興味のある方はぜひ、こちらから資料をダウンロードしてご覧ください。