GmailとOutlookのAI機能に関する調査結果発表、メール管理の効率化が進む

GmailとOutlookのAI機能に関する調査

2023年9月、私たち株式会社ベンチマークジャパンは、GmailとOutlookに搭載された生成AI機能についての調査を実施しました。この調査は、メールソフトを業務で利用する方々を対象に、生成AI機能の認知度や活用状況を把握することを目的としています。

調査の背景と目的

近年、生成AI機能はビジネスシーンでのメール管理に新たな価値を提供していますが、実際にどのように利用されているのか、その認知度はどのようなものなのかが疑問でした。そこで、GmailとOutlookを使う会社員や自営業者を対象に、実際の利用状況についての情報を探ることになりました。

調査概要

- 調査方法: インターネット調査
- 調査期間: 2025年9月2日～9月11日
- 対象者: 会社員、公務員、自営業者を含む経営者
- 年齢層: 20代〜60代（国勢調査の人口割合に則って）
- 有効回答数: 409人

調査結果サマリー

1. メールサービスの利用状況

GmailとOutlookのどちらのメールサービスを主に利用しているかを尋ねたところ、両者ともにほぼ均等な支持を受けており、Outlookがわずかに優勢でした。ただし、世代による支持率にはやや違いが見られ、20〜30代はGmailを、40〜60代はOutlookを好む傾向がありました。

2. 生成AI機能の利用状況

生成AI機能の利用経験を尋ねたところ、37.6%が過去に利用したことがあると回答し、過半数は未使用という結果が出ました。「使っているかわからない」との回答も7.3%あり、情報の普及に課題が浮き彫りになりました。全体的にGmailユーザーの方がAI機能の活用率が高く、特に30代の利用者が多いことが特徴です。

3. 利用しない理由

「一度も使ったことがない」と回答した方々に、その理由を尋ねた結果、最も多かったのは「使い方がよくわからない」というものでした（43.6%）。他には「使うメリットを感じない」や「自分の言葉で書きたい」という理由も多く見られ、生成AIの利点に対する理解が不足している印象があります。特にプライバシーやセキュリティへの懸念も大きく、これは多くのユーザーに共通した課題となっています。

GmailとOutlookの具体的な活用状況

Gmailにおいては、「メールの要約機能」が57.3%、「返信文の自動生成」が52.1%と、特にこの2つが多く利用されていました。一方、Outlookでは「メール下書きの自動生成」が最も活用され、次いで「メールスレッドの要約」機能が人気でした。これらの機能は、メール業務を効率化するために非常に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

利用者のメリット

生成AI機能を使ったことがある方には、どのようなメリットがあったかを尋ねました。最も多かったのが「メール確認の効率が上がった」で53.9%がこの意見に賛同しました。「返信の効率が上がった」という回答も見られ、メール業務全体のスピード向上が現れていることが分かります。

課題と不安

一方で、利用者が抱える不安も明らかになりました。最も頻繁に挙げられたのは「プライバシーやセキュリティが気になる」という声で39.6%がこれを指摘しました。正確性の不足や、自動生成された内容が意図に合わないことが多いといった意見もあり、ここでの改善が求められるでしょう。

受信者の反応

興味深いことに、日常的に受信するメールの中で、AIが生成したものだと感じることができないと答えた人が60%に達し、AIコンテンツが多くの人に受け入れられていることが見えてきます。しかし一方で、約40%の人はAI特有のパターンを察知できているという結果も見られました。世代が異なれば感じ方にも違いがあり、特に60代の方がネガティブな印象を持つ傾向が見られました。

今後期待されるAI機能

最後に、ユーザーが期待するAI機能についても尋ねました。文章の自然さを高める機能や、セキュリティを強化する機能が多く求められており、業務に役立つ高度な自動化機能のニーズが高まっていることを示しています。これからもメールソフトの進化に期待が寄せられています。

今後もこの調査結果を元に、より良いメール管理を実現するためのサービス提供を目指してまいります。詳しい調査結果や報告書は、弊社のウェブサイトからもダウンロード可能です。