カンボジア教育省代表団、サレジアン国際学園を訪問
2025年9月24日、カンボジア教育・青少年・スポーツ省の代表団が東京都世田谷区に位置するサレジアン国際学園世田谷中学高等学校を視察しました。この訪問は、同省の高官らが日本の先進的な教育実践を学びたいとの要望に応える形で実現したものです。視察を支援したのは、株式会社すららネットで、個別最適化された教育に向けたICT教材の開発を担当しています。
代表団の視察の様子
まず、視察団は株式会社すららネットが提供するICT教材「すらら」を活用した朝の学習の様子を見学しました。生徒たちがそれぞれ異なる教科に集中しながら学び合う姿を見て、個別の学びが実現していることに対して驚きの声が上がりました。このような個別最適化の学習法は、生徒自身の主体的な学びの力を育てることを目的としています。
「集団の中でこれほど個別的な学習ができるのか」と、多くの参加者が感心していました。この視察を通じて、教員と生徒の関係性、そして教師が如何にして生徒一人ひとりの理解度に応じた指導を行うかという点に注目が集まりました。
先進的な教育環境の紹介
視察の次の段階では、昨年リニューアルされた図書館を含む多様な教育環境が紹介されました。特に、大型電子黒板を利用したPBL(課題解決型学習)に基づく授業は注目を浴び、多くの質問が寄せられました。最大150人までの授業が可能なこの施設において、プレゼンテーションの内容は校内のモニターを通じて全体に配信されるなど、充実した設備に視察団は感心を示しました。
また、理科の実験授業においては40人の生徒に対して2人の教員が対応する体制があり、参加者はそのサポート体制の厚さにも興味を持ちました。美術や数学の授業、そして全て英語で行われる国際クラスの英語授業が行われ、生徒たちが自分で考え、意見を交わすPBL型授業は、従来の一方通行の教育手法とは異なる新たな学びの形として捉えられました。
意見交換会と新時代の教育
視察の最後には、意見交換会が行われ、教員の研鑽やカリキュラムの自由度、PBL型授業の効果について活発に議論が交わされました。同校では、教員が自己研鑽を重ねて授業を改善している文化が存在し、実践事例の共有が行われています。代表団は、「生徒が基礎を自学し、教師が興味を引き出す役割に変化している」との意見に強く共感しました。
訪問の意義
サレジアン国際学園の教務部部長である田中赳裕教諭は「今回の視察は、カンボジアとの教育現状について考える意義深い機会だった。このような交流を通じて、若者の教育に対する熱意が共有できた」と語りました。株式会社すららネットの執行役員である藤平朋子氏は、視察がICTの活用やPBL型授業を体感する貴重な機会であったとし、今後も教育交流を通じて質の向上に貢献する意向を示しました。
すららネットの教育理念
株式会社すららネットは、「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」という企業理念のもと、AIを活用したICT教材の開発を進めています。現在、2,600校以上の学校や塾で導入され、多くの児童生徒に利用されています。さらに、海外にも展開し、日本型教育の普及に寄与する活動を行っています。日本政府もEdTech企業の海外展開支援に取り組む中、すららネットはその代表的な企業として注目されています。