「つくし世代」とは？若者の新しい価値観に迫る！

つくし世代：新しい若者の価値観とは？

近年、若者像を表す言葉として「ゆとり世代」「さとり世代」などが使われてきました。しかし、現代の若者たちは、それらの言葉で一括りにできるほど単純ではありません。本書『つくし世代「新しい若者」の価値観を読む』では、ADK若者プロジェクトリーダーである藤本耕平氏が、現代の若者像を「つくし世代」として定義し、その特徴を詳細に分析しています。

「つくし」というキーワード

「つくし」は、一見すると控えめで、欲がなく、消費をしないように見える若者像を表しています。しかし、本書では、彼らが本当に欲がない、消費をしないのかという点に疑問を投げかけます。

藤本氏は、綿密な調査と分析を通して、「つくし世代」の真の姿が見えてきました。彼らは、従来の若者像とは異なり、仲間との繋がりを非常に大切にし、「みんなで楽しみたい」「誰かのために」という強い思いを持っていることが明らかになったのです。一見消極的に見える行動の裏には、他者への共感や協調性といった、新たな価値観が芽生えているのです。

本書の内容

本書は、ADK若者プロジェクトが5年間にわたって行ってきた若者研究の成果をまとめたものです。藤本氏は、2年半にわたり、若者と直接関わりながら研究を進めてきました。

本書では、「つくし世代」の特徴として以下のような点が挙げられています。

仲間意識の高さ: 仲間との繋がりを非常に大切にし、共同体意識が強い。
共感性と協調性: 他者への共感能力が高く、協調性を持って行動する。
目的意識の明確さ: 自分たちが何のために行動するのか、明確な目的意識を持っている。
自己表現の多様化: 個性を重視し、自己表現の方法も多様化している。
* 新しい価値観の創造: 既存の価値観にとらわれず、自分たちで新しい価値観を創造しようとしている。

これらの特徴は、従来のマーケティング手法では捉えきれない新たな視点を与えてくれます。

誰のための本？

本書は、マーケターだけでなく、人事担当者、そして若者について深く理解したいすべての人にとって有益な内容となっています。若者の心を動かす方法、彼らの本質を理解するためのヒントが満載です。特に、現代の若者と接する機会が多い方にとって、本書は必読と言えるでしょう。

著者のプロフィール

著者である藤本耕平氏は、1980年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、2002年にADKに入社。以来、マーケティング業務に携わり、幅広い業界のコミュニケーション戦略や商品開発に貢献しています。2010年から若者研究を開始し、2012年には「ワカスタ」を設立。学生と共に若者向けの商品開発やキャンペーン開発などを行い、外部セミナーでの講演や新聞・雑誌記事連載、大学客員講師なども務めています。