カネテツデリカフーズが推進する資源循環型の取り組み
カネテツデリカフーズが挑む資源循環型の取り組み
近年、環境問題への意識が高まる中、多くの企業が持続可能な取り組みを進めています。そんな中、カネテツデリカフーズ株式会社(以下、カネテツ)は、製造工程で発生する魚肉すり身や野菜類などの残渣を有効活用することで、資源循環型の新しいモデルの構築に挑んでいます。カネテツは、福島県南相馬市の株式会社リジェンワークス、和歌山県白浜町の近畿大学水産研究所といった学術機関との産学協働により、この取り組みを進めることに成功しました。特に水産養殖用飼料としての応用に向けたブリでの給餌試験が注目されています。
材料の有効活用と取り組みの背景
練り製品業界でのすり身の価格が高騰する中、安価な飼料の確保が経営課題として浮上しています。また、加工過程で発生する大量の製造残渣は、有効活用されることが少なく、産業廃棄物として処理されることが多いのが実情です。このような中、カネテツは製造過程から生じる残渣を、飼料原料として循環利用する可能性に着目しました。
特に養殖業界では、気候変動の影響で飼料原料である魚粉の価格が急騰し、飼料コストが養殖業の経営に与える負担が増大しています。この問題を解決するために、カネテツの取り組みは必要不可欠であると考えられています。
具体的な取り組み内容
この取り組みの初期段階として、リジェンワークスが製造残渣の加工と品質調整を担当し、近大水研でブリ稚魚を対象とした約60日間の給餌試験が実施されました。この試験では、製造残渣由来の飼料と従来の魚粉を比較し、成長率や生残率、飼料効率などが評価されました。
その結果、残渣由来の原料によって魚粉の一部を代替しても、成長率や生残率に大きな差が見られず、条件によっては魚粉の最大約35%を置換しても飼料効率の向上が確認されました。これは、持続可能な資源循環の可能性を示すものです。
経済面での影響
現在、魚粉は飼料コストの大部分を占め、価格変動に敏感です。カネテツの取り組みが成功すれば、製造残渣を有効利用することで飼料原料コストの安定化と低減が実現できる可能性があります。試算では、魚粉を使用した場合と比較して、飼料費を15〜25%程度抑えられると見込まれています。これによりカネテツ単独でも年間数百トン規模の残渣を有効活用することが期待され、業界全体にも数千トンの残渣活用につながるかもしれません。
今後の展望
カネテツのこの取り組みは、2026年3月に開催される日本水産学会春季大会にて詳細なデータが発表される予定です。また、2027年度中に事業化を目指し、量産化や設備導入を進める方針です。今後、練り製品業界全体への展開も視野に入れ、環境負荷の低減と経済価値の創出を両立させることが期待されています。
まとめ
カネテツデリカフーズの資源循環型の取り組みは、環境問題への解決策を提供するだけでなく、経済面にも大きな影響を与える可能性を秘めています。今後、このような革新的なアプローチが広がり、持続可能な社会の実現に寄与することを期待したいです。
会社情報
- 会社名
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カネテツデリカフーズ株式会社
- 住所
- 兵庫県神戸市東灘区向洋町西5丁目8番地
- 電話番号
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