新型固体化レーダーセンサーDRS-NXTシリーズの誕生
古野電気株式会社が新たに開発した「DRS-NXTシリーズ」は、2025年9月から全国での販売が開始される予定です。このシリーズの特徴は、従来使用されていたマグネトロンに代えて半導体素子を利用し、メンテナンスにかかるコストを大幅に削減できる点にあります。また、この新型レーダーは全5機種を揃え、国内で初めて「第4種レーダー」と認証を受けているため、無線従事者資格なしで操作可能という利点もあります。
具体的な性能と特徴
新しく登場するDRS-NXTシリーズは、マイクロ波を半導体素子で発生させる技術を採用しています。送信出力は25W、100W、170Wの3種類があり、レドームタイプのアンテナは48cmと60cm、オープンタイプは120cmと180cmのサイズ展開があり、様々な船舶に対応しています。特に小型船舶にも装備しやすいデザインに仕上がっており、船のサイズに応じて選択できる自由度が高いのも大きなポイントと言えるでしょう。
固体化レーダーのメリット
1.
メンテナンスコストの削減
マグネトロン式のレーダーは使用と共に劣化し、定期的な交換が必要でしたが、固体化レーダーは半永久的に劣化しないため、その点での手間がありません。
2.
探知精度の向上
新技術のパルス圧縮を用いることで、ノイズを低減し、高精度な物標探知を実現。狭水道を航行する際にも非常に有用です。
3.
瞬時に作動する余熱時間のゼロ
マグネトロン式では約3分の余熱時間が必要ですが、固体化レーダーは電源を入れた瞬間に作動します。
4.
ターゲットアナライザー™機能
接近する他船を色分けし、表示することで、視覚的に状況を把握しやすくしています。
連携機器の拡充
DRS-NXTシリーズは、マルチファンクションディスプレイ(NavNet TZtouchシリーズやフレックスファンクションディスプレイ)や船舶用レーダーと接続可能で、システムの拡張性も考慮されています。これにより、航行の安定性をさらに高める効果が期待されます。
購入と価格に関する情報
DRS-NXTシリーズの販売開始は、DRS6A/12A/25A-NXTが2025年9月、DRS2D/4D-NXTは2026年1月以降となっています。価格は495,000円から1,400,300円(税込)で、選択する機種により異なります。
会社概要とバックグラウンド
古野電気株式会社は、1948年に世界初の魚群探知機を実用化した企業であり、現在は世界90ヵ国に展開する舶用電子機器の総合メーカーです。そのため、同社が提供する製品は世界的に高い信頼性を誇り、多くの海上作業者から支持されています。
この新型レーダーセンサーDRS-NXTシリーズの誕生は、海の安全を一層確かなものにすることが期待されます。これからの展開が楽しみです。