EO大阪が主催した「事業成長戦略と経営者マインドセット」講演会
2025年12月11日、一般社団法人EO大阪が主催した講演会「圧倒的な事業成長に必要な経営者マインド」が、大阪市内のBlooming Campで開催されました。このイベントには、住宅設備、家具、ITなど、さまざまな業界で成功を収めている経営者たちが集まり、自らの経験を基にした貴重な知見を共有しました。
経営者に求められるマインドセットの変革
現在、日本には約400万社の企業が存在します。その中で顧客や求職者に選ばれるためには、独自の強みや専門性を持つことが重要です。株式会社ジンジブの代表、佐々木氏は中小企業の強さは「尖り」であるべきだと述べ、具体的な成功事例を挙げました。例えば、参加者を笑わせることに注力した会社説明会によって、大手企業と競争し優秀な人材を獲得することに成功したと話しました。このように、経営者のマインドセットの変革が求められる理由は、ただのビジネスモデル以上に、内面的な強さや覚悟が競争力となるからです。
黄金比率と組織のエネルギー
佐々木氏は、100名以上の組織における理想的な人員比率(黄金比)も紹介しました。新卒採用がもたらす効果として、社長や幹部が活性化されるという報告もあり、組織全体のエネルギー向上へと繋がるとのことです。また、組織の変革には痛みを伴うことが多いとし、メンバーの入れ替わりが必須であると認識することの重要性が強調されました。特に、スキルよりも「人間性」を重視した採用が、組織全体のストレスを軽減するとの意見も共有されました。
斜陽産業における成長戦略
続いて、株式会社ミラタップの山根氏や、株式会社リビングハウスの北村氏が、縮小市場での勝ち筋について語りました。特に起業初期の企業においては、「社長力」が差別化の鍵となるとのことでした。住宅設備や家具産業が斜陽にある今こそ、競合の弱点を突くことが成長の鍵であると山根氏は述べ、SNSやECでのデジタル戦略に特化したことで急成長を実現した事例を共有しました。北村氏は、低価格ではなく、こだわりを持つ消費者をターゲットにしたニッチ戦略で成功を収めたことも語りました。このように、業界における成長のヒントは、しばしば外部から見つかります。ミラタップは家具業界の成功モデルを住宅設備の分野に適用することで、顧客の客単価を飛躍的に向上させました。
人が勝負の決め手となる時代
参加者の多くが「現在は人が勝敗を決める時代である」という意見に同意しました。最近のビジネスでは、特許で守れないモデルが普及しており、最終的な競争優位性は組織文化に支えられています。
EOのコミュニティが持つ力
イベントの背後には、世界中で19,000人の起業家が集う「EO」の精神があります。同じ志を持つ仲間が成功している姿を見ることは、他の経営者にとって大きな励みとなります。EOの特徴である「フォーラム」では、本音で経験を共有することで、経営者は孤独感を軽減し、より強くなります。
経営者の覚悟についてのメッセージ
イベントの最後では、講演者たちが経営人生を意識し、挑戦を続ける重要性を訴えました。「経営者としての残り日数を意識することで、他者を気にする余裕はない」というメッセージが印象的でした。成功も失敗も共有しあうことで、参加者はより強い決意を持って帰ることができたでしょう。
今後もEO大阪は、志を高く持ち、互いに切磋琢磨する環境を提供し続けるとしており、参加者の期待が寄せられています。
EO Osakaについて
EO(Entrepreneurs' Organization)は、1987年にアメリカで設立された世界最大の起業家ネットワークです。EO大阪は2010年に発足し、関西圏の起業家たちが集まり相互に学び合う場として機能しています。