三菱電機とAWS、デジタル領域での協業を発表
三菱電機株式会社は、Amazon Web Services(AWS)との間で、データセンターやクラウドサービスに関する戦略的協業に向けた覚書を締結しました。この覚書に基づき、三菱電機は自身のデジタル基盤である「Serendie®」を使用したデータ利活用ソリューションの強化を図りながら、世界的なデータセンター需要の増加に応じた脱炭素化を推進し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを行います。
協業の目的と狙い
三菱電機では、長年にわたって培ってきたデータや知識を活用し、デジタル基盤「Serendie」を通して事業モデルの変革と新たな価値の創出を目指しています。それを達成するためには、データ利活用ソリューションの強化と、社内ITインフラのモダナイゼーションが不可欠です。AWSが持つクラウドコンピューティングの技術や生成AIの知見を活かすことで、三菱電機は自社のデジタル変革を加速させる計画です。
特にデータ利活用ソリューションの強化に関しては、AI基盤の共同開発や業務プロセスの効率化、意思決定を迅速化するためのAIの応用が期待されています。また、AWSの教育プログラムを活用して、デジタル人材の育成とカルチャー改革にも取り組む予定です。
具体的な取り組み内容
三菱電機は、デジタルマニュファクチャリングのプロセス最適化を目指し、AIエージェントオーケストレーションなどの機能を持つ基盤の開発に注力しています。また、省エネと生産性・快適性を両立させるため、スマートビル向けのソリューションも開発中です。これにより、ビルの価値向上やテナント向けの付加価値サービスを提供することが目標です。
さらに、三菱電機は空調システム、監視・制御システム、無停電電源装置、受変電設備といったデータセンター向け製品を展開しています。これらの製品を通じてデータセンターの省エネや安定稼働をサポートし、新しいエネルギーマネジメントの手法を創出することに取り組みます。特に、近年の生成AI普及に伴い増加する電力消費量の管理は、大きな課題とされており、脱炭素化の実現に貢献できることが期待されています。
両社のコメント
AWSのグローバルセールス担当副社長、グレッグ・ピアソン氏は、「三菱電機のデジタル変革の取り組みを共にできることを大変嬉しく思います。この協業が顧客の業務効率化を加速し、AIを用いた迅速なデータドリブンの意思決定を可能にするアプリケーションの開発に貢献することを期待しています」と述べています。
一方、三菱電機株式会社の常務執行役でCDOの武田聡氏は、「AWSとの協業によって、当社のデジタル基盤『Serendie』を強化し、デジタル領域における競争力を高めていけることを嬉しく思います。社会課題の解決に向けて、両社のシナジーを最大化していく所存です」とコメントしています。
三菱電機グループのビジョン
三菱電機グループは、技術革新と創造力を通じ、活力ある社会の実現に向けた貢献を目指しています。環境や社会に配慮した事業活動を継続し、持続可能な未来の実現を目指して挑戦を続けていく姿勢を強調しています。1921年の設立以来、様々な事業を展開してきた三菱電機は、今後もデジタル領域でのさらなる進化を追求していくことでしょう。