江戸時代の海外知識に迫る「世界へのまなざし」展
開催概要
令和7年度第2回企画展「世界へのまなざし―江戸時代の海外知識―」が、東京都千代田区の国立公文書館で開催されます。この展示は、10月11日から12月7日にかけて行われ、内閣文庫の資料を基に、江戸時代における海外の知識の受容を探ります。
江戸幕府と国際関係
江戸幕府は国際的な接点を限られた4つの地域に絞り、長崎、対馬、薩摩、松前がその拠点となっていました。これらの窓口を通じて、外国からの商人や知識が国内に入り、当時の人々は限られた情報源を通じて世界情勢を把握していました。特に、長崎ではオランダや清国との商取引が行われ、交流が盛んでした。
知識の受容とその影響
8代将軍徳川吉宗は、書籍の輸入制限を緩和し、特に西洋の科学技術書に関心を寄せました。彼の政策により、漢訳洋書の流入が許可され、国内での流通が広がったことで、蘭学や他の学問が急速に発展しました。学者たちは外国の知識を取り入れ、新たな視点から科学や文化を理解しようと努めました。
江戸時代の文化人と学術団体
吉宗の政策を受け継ぐ形で、江戸時代の知識人たちは自らの手で海外情報を集め、学術サロンを設けて学び合いました。彼らの活動は専門的な研究を生み、その結果として様々な分野での知識の普及と進化につながりました。特に、語学や博物学、医学などの分野は活況を呈し、異国の知識を学ぼうとする姿勢が広まりました。
欧米列強の影響
18世紀末から19世紀初頭にかけて、ロシアをはじめとする欧米列強のアジア進出が加速しました。江戸時代の知識人たちは、世界の科学技術を学ぶ必要性を認識し、オランダ語だけでなく英語など他のヨーロッパ言語も学び始めます。この流れは、国際情勢への影響を与える要因ともなり、幕末の動乱へとつながっていきました。
展示の見どころ
本展では、江戸時代に来航した外国使節や輸入書籍、さらには当時の文化人たちが執筆した著作物を通じて、海外知識の受容の様子を詳しく紹介します。新しい情報がどのように江戸時代の人々に影響を与えたのか、一つ一つの展示物を通じて体験できることでしょう。
まとめ
国立公文書館で開催されるこの企画展は、江戸時代の国際関係や知識の交流に興味を持つ方々にとって、貴重な体験となる一大イベントです。ぜひ足を運び、歴史の一端を感じてみてはいかがでしょうか。
選び抜かれた資料が一堂に会する展覧会、江戸時代の海外への視座を再発見してみてください。