日本の出版界を牽引する株式会社講談社が、フランスのHachetteグループ傘下の老舗出版社Calmann-Lévy社との業務提携を発表した。この提携は、講談社が刊行する海外翻訳小説のラインナップ拡充と、Calmann-Lévy社におけるアジア文学の発展を目的とする。
講談社は1909年の創業以来、幅広いジャンルの出版物を展開し、海外事業にも積極的に取り組んできた。2024年6月にはグローバル統括室を設立し、海外展開をさらに加速させている。今回の提携により、フランス語圏との交流を深め、さらなるグローバル化を目指す。
Calmann-Lévy社は1836年創業のフランスを代表する出版社。バルザックやデュマなど、フランス文学の巨匠たちの作品を数多く出版している。近年はギヨーム・ムッソやマイケル・コネリーといった現代作家の作品も積極的に取り扱っている。
両社は今回の提携を通じて、相互の刊行ラインアップを充実させていく。講談社は、フランスの作家セシール・ティリとセシール・ピボットの作品を、それぞれ2025年と2026年に日本で出版する予定。一方、Calmann-Lévy社は、柚木麻子の小説『オール・ノット』をフランス語に翻訳し、2025年にフランスで出版する。
両社の代表者は、今回の提携について喜びと期待を表明した。Calmann-Lévy社のフィリップ・ロビネCEOは、「世界中の文学を紹介するのがカルマン・レヴィ社の使命。素晴らしい日本の出版社である講談社との提携を非常に嬉しく思う」とコメント。講談社グローバル統括室長の高見洋平氏は、「フランスと日本の文学には深い共鳴がある。文学を通じて交流を促進することで、両国の文化がさらに豊かになると確信している」と語った。
今回の提携は、日仏両国の出版文化交流を促進する大きな一歩となる。今後、両社がどのような作品を発表していくのか、注目が集まる。