新たなデータ分析基盤を構築した資生堂の成功事例

資生堂の新しいデータドリブン戦略



2025年2月、資生堂は日本オラクルと共同で、販売・顧客分析システム基盤「B-NASS+」の移行を完了しました。これにより、同社の営業活動は新たな時代へと突入しました。このプロジェクトは、データ分析の効率化とマーケティング戦略の強化に向けた重要なステップとして位置づけられています。

B-NASS+システムの役割と機能



「B-NASS+」は、資生堂が2016年から運用している全社システム基盤で、国内外の販売管理と顧客・購買データを網羅的に分析することを目的としています。約5,000人がこのシステムを利用し、数千に及ぶ店頭POSから収集されたデータを活用して、営業担当者がより詳細な提案を行うための情報を提供しています。

このシステムには、取引先ごとのデータを解析できるモニタリング機能や、提案書を作成するテンプレート、顧客分析機能が完備されており、販売戦略に欠かせないツールとなっています。

OCIへの移行とその成果



従来のシステムはオンプレミス環境に依存していましたが、Oracle Cloud Infrastructure (OCI)への移行を経て、データの増加に柔軟に対応できる基盤が整いました。OCI上の「Oracle Exadata Database Service」と「Oracle Analytics Cloud」を活用することで、システムの性能と安定性が向上し、コストの削減も達成しました。また、運用コストは約20%削減され、効率的な資源管理が実現しています。

移行後、夜間のバッチ処理が90%高速化され、処理性能の大幅向上も報告されています。さらに、利用者にとっての利便性が向上し、リアルタイムでのデータ活用が可能となりました。

AIと機械学習の活用



資生堂インタラクティブビューティー株式会社では、この新しい基盤をさらに活用していく方針で、AIや機械学習技術を取り入れたデータ分析を進めています。今後はセルフサービスBI機能を強化し、営業活動をさらに進化させる計画です。これにより、ビジネスの効率化とデータからの洞察の取得が容易になると期待されています。

受賞歴と今後の展望



資生堂は、「2024 Customer Excellence Awards」において「Data Platform Innovation Award」を受賞しました。これは新しいシステム基盤が業界でも高く評価されている証しです。CITOの高野篤典氏は、OCIへの移行がもたらした数々の利点を引き合いに出し、データドリブンなアプローチの重要性を強調しました。

日本オラクルは、今後の展望についても触れ、生成AIなどの新しい機能をタイムリーに活用することで、資生堂がいかに進化していくかに注目が集まります。

このように資生堂は、クラウド環境への移行を通じて、顧客にさらなる価値を提供することを目指しています。これからのデータ分析の進化に期待が寄せられることでしょう。

会社情報

会社名
日本オラクル株式会社
住所
東京都港区北青山2-5-8オラクル青山センター
電話番号
03-6834-6666

トピックス(経済)

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