東芝グループがリユース太陽光パネルの実証プロジェクト開始
TREホールディングス株式会社とその連結子会社にあたるリバー株式会社、東芝エネルギーシステムズ株式会社、東芝環境ソリューション株式会社の3社は、リユース太陽光パネルを活用した自家消費型太陽光発電システムの実証を共同で行うことに合意しました。このプロジェクトは、2025年8月に栃木県下都賀郡壬生町に開業予定のリバーの事業所で実施されます。
国内では、2012年からのFIT(固定価格買取制度)の導入により、多くの太陽光発電所が設置されてきました。しかし、太陽光パネルの寿命はおよそ25~30年とされ、2030年頃には大量の使用済みパネルが発生することが予想されています。そのため、経済産業省や環境省は、太陽光パネルのリサイクルおよびリユースを推進する政策を検討しています。
リユースパネルの重要性
リユースパネルは、廃棄物の低減に寄与する重要な要素ですが、これまでのところ実際の活用事例が非常に少なく、その効果についての実証が求められていました。この実証プロジェクトでは、リバーの新しい事業所の屋根に新品の太陽光パネルとリユースパネルの混合設置を行い、両者の発電量や効率を比較評価します。使用するリユースパネルは、TESCによって健全性が確認されたものです。
実証の目的と方法
本実証の目的は、リユースパネルの有効性を評価することにあります。リユースパネルは、環境に与える負荷を低減する「サーキュラーエコノミー」の推進にも寄与することが期待されています。具体的には、リユースパネルを使用することで廃棄量を削減するだけでなく、太陽光発電システムを導入する際の温室効果ガス排出量の削減にも貢献します。
実証において、3社はそれぞれ異なる役割を果たします。TREはリユースパネルの実証場所や太陽光パネルリサイクル事業の推進を担当し、東芝ESSはリユースパネルを活用した発電システムの構築や発電量の評価を行います。また、TESCは太陽光パネルの健全性評価を担います。これにより、3社は連携して実証結果を収集し、リユースパネルの実用化に向けた取り組みを加速させることができます。
期待される成果と今後の展望
このプロジェクトを通じて、リユースパネルの有効性が立証されれば、再生可能エネルギーの普及が一層加速し、環境への良好な影響が期待されます。また、リユースパネルの活用が進めば、将来の太陽光発電事業における持続可能性にも寄与することでしょう。
最終的には、2025年8月の稼働開始を目指し、リユースパネルを使った新しい太陽光発電システムが、より環境に優しい社会の実現に向けた一助となることが期待されます。