地域の健康と医療を支える中部国際医療センター
岐阜県美濃加茂市に位置する中部国際医療センターは、地域住民に寄り添った医療と健康支援を目指す新しい病院です。中核病院としての役割を担い、地域医療の充実を図るために設計されたこの施設は、2021年10月に完成し、2024年の医療福祉建築賞にも輝きました。
医療福祉建築賞とは?
毎年、新しくオープンした医療福祉施設を対象に優れた設計や機能性を評価し、表彰されます。患者やスタッフにとっての使い勝手や快適性を考慮した作品が選ばれており、全国レベルで質の高い医療環境が評価されています。
設計者の思い
中部国際医療センターの設計を担当した株式会社久米設計は、基本理念「全ては病める人のために」を元に、患者の不安を軽減しつつ地域とのつながりを重視しました。特に印象的なのが、病院敷地内に設けられた「みのかも健康プラザ」です。この健康施設は、地域住民の日常的な活動の場としても利用され、入院患者との交流を促進し、活気のある雰囲気を生み出しています。
スペースの設計
病院内の中心には、3層の吹き抜けを持つホスピタルモールを設計しました。この動線は、患者のみならずスタッフも共有し、病院全体に親近感をもたらします。訪れるすべての人が安心して過ごせる居場所を作り出すことを目的としており、患者やその家族にとっても安心感を与える効果があります。
建物の特徴
中部国際医療センターは、延床面積53,373.71㎡の広さを誇り、地上10階建ての構造です。特に、入院患者を見守るための病棟計画や、最先端の医療機器を導入した環境設計が施されています。建物の構造は、S/RC/CFTが採用され、耐震性にも配慮されています。
地域への貢献
この病院は、単なる医療提供だけでなく、地域住民が健康を討論したり交流する場を生むことにも注力しています。健康プラザ内にはカフェやブックストアまで併設されており、地域のハブとして多くの人が集まる場所にもなっています。設計者は、地域に根ざした医療提供を通じて住民の健康づくりに寄与することに大きな喜びを感じていると語っています。
株式会社久米設計の理念
久米設計は、1932年に設立以来、多様な個性の集合体として「豊かさ」の創造を追求しています。同社のアプローチは、地域や人と深く関わり、未来を見据えた価値を創造することにあります。彼らは、技術とデザインの融合を通じて持続可能な社会の実現に貢献しています。
まとめ
中部国際医療センターは、単なる医療機関に留まらず、地域の人々とのつながりを大切にした施設です。病院の理念に基づき、患者と地域住民の快適な空間を提供する努力が評価され、医療福祉建築賞を受賞しました。この病院が地域の健康を守る拠点として、今後ますます発展することを期待しています。