特別展「線表現の可能性」開催のお知らせ
国立国際美術館では、2024年11月2日(土)から2025年1月26日(日)まで、特別展「線表現の可能性」が行われます。この展覧会は、線というシンプルな要素がどのように多様なアート表現に影響を与えているのかを探る貴重な機会です。
線の表現の変遷
一枚の絵画は、一本の線から始まり、線には直線、曲線、点線、波線など多様な姿が存在します。それぞれの描画材料によって、線の表情も変わり、独特な魅力を醸し出します。特に、東洋の伝統的な絵画においては、線が作者の個性を映し出すと考えられ、重要な役割を果たしてきました。
かつて線描画は、作品の下絵やデッサンとしての機能を果たし、対象の形を明確にするために使用されました。しかし、近代に入ると、線自身が独立した価値を持つようになり、20世紀以降に生まれた抽象画では、線そのものの造形性が注目されるようになりました。
こうした背景を持つ本展覧会では、国立国際美術館の所蔵品を中心に、約150点の作品を通して、現代アートにおける線の多様性を紹介します。
見どころと構成
展示作品は油彩画、版画、素描、写真、彫刻など多岐にわたります。それぞれの作品による線の表現を比較しながら、視覚的な興味を引き出す工夫がなされています。展覧会は以下の4つの章に分かれて構成されています:
第1章: 線の動き、またはその痕跡
この章では、画家たちの手の動きに注目し、様々な線の表情がどのように生み出されたかを考察します。出品作家には木村忠太や津高和一などが名を連ねています。
第2章: 物語る線たち
線は形を明確にするだけでなく、物語を語る要素ともなります。ここでは、線によって描かれたイメージの世界を探求します。出品作家には池田龍雄や須藤由希子などが参加しています。
第3章: 直線による構成
直線の持つ抽象的な魅力に焦点を当てた作品が集められます。異なるアプローチで直線を扱った作品を通じて、その可能性を考察します。
第4章: 線と立体
最後の章では、線がどのように三次元作品へと展開していくのかを見つめます。彫刻作品との対比を通じて、線表現の新たな可能性が感じられることでしょう。
特別イベントの予定
展覧会では、ギャラリー・トークなどの関連イベントも開催予定です。詳細については、国立国際美術館の公式ウェブサイトで確認できます。
開催情報
本展覧会は、国立国際美術館地下3階展示室で行われます。開館時間は10:00から17:00まで、金曜日・土曜日は20:00まで延長されます。観覧料は一般1,200円、大学生700円で、高校生以下は無料となっています。
この特別展では、視覚的な表現に対する新たな理解が得られることでしょう。ぜひ、お時間を作り足を運んでみてください。