近年、希少疾患に対する医療の重要性が高まっています。世界には約7000種類の希少疾患が存在し、その影響を受けるのはなんと3億人を超えると言われています。特に、この病にかかる患者の半数は子どもであり、進行性の病気や生命に関わる病気が多いにもかかわらず、未だ治療法が見つからないものが多いのが現実です。
このような背景を受け、熊本大学は新たな治療法の開発に取り組む研究チームを結成しました。勝田陽介准教授を中心とするこのチームは、「Staple核酸」という新しい治療技術を開発しました。この技術が希少疾患の新薬として利用される可能性が期待されています。
特に注目されるのは、研究に参加している若い研究者たちの情熱です。五木結愛さんは、その一人です。彼女の祖母は「多系統萎縮症」という難病を抱えており、日々体の自由を奪われていく様子を見てきました。五木さんは、祖母のために何かできることはないかと考え、勝田准教授の研究に出会いました。新薬が開発されれば、彼女の大切な家族を救う可能性があると信じています。
しかし、薬の開発は容易なものではありません。新薬を市場に出すまでに、数百億円という巨額な資金が必要であり、開発には何年もの歳月がかかることも少なくありません。この現実を打破するために、勝田准教授は同じ志を持つ仲間たちとともに「StapleBio」という創薬ベンチャーを立ち上げました。
新薬開発の挑戦には多くの課題が待ち受けていますが、彼らの探究心と希望は止まることはありません。そして、彼らの努力が世界中の希少疾患患者にとって希望の光となることが期待されています。
【番組概要】
今回の特別番組『熊本から世界初の新薬を~熊大発ベンチャーの挑戦~』は、熊本大学の新薬開発の舞台裏を紹介します。放送は2025年1月4日(土)午前11時からであり、熊本ローカルの放送で、ナレーションは谷崎すずなが担当します。
放送終了後は、KABニュースの公式YouTubeチャンネルでも配信される予定です。興味のある方はぜひご覧ください。 熊本大学が誇る研究者たちの奮闘と、未来の新薬に向けた熱意あふれる物語を見逃す手はありません。