大分の実証実験
2022-02-10 18:03:08
障がい者支援に革新をもたらす実証実験が大分で実施
大分県で行われた革新的なバリアフリー実証実験
大分県が推進するバリアフリーの取り組みの一環として、株式会社Ashiraseが中心となり、準天頂衛星「みちびき」の衛星測位システムを活用した実証実験が行われました。このプロジェクトは、車椅子ユーザーや視覚障がい者が安全に移動できることを目的としています。
準天頂衛星システム「みちびき」とは
「みちびき」は、日本独自の衛星測位システムで、初号機が2010年に打ち上げられて以来、2023年に7機体制で運用が開始されます。このシステムは、3機の衛星が常に日本の上空にあり、計測精度を大幅に向上させることができます。特に、センチメータ級の測位補強サービス(CLAS)を利用することで、高精度な位置情報を提供し、迅速な対応を可能にします。
B-SOSシステムの概要
今回の実証実験で試された「B-SOSシステム」は、車椅子ユーザーが移動中に遭遇する可能性のあるトラブルを想定した支援システムです。具体的には、突発的な段差や障害物により移動が困難になった際、事前に登録された介助者がユーザーのもとへ迅速に駆け寄るという仕組みです。実験に参加した看護学生が、スマートフォンの専用アプリを使ってSOS信号を受信し、「みちびき」によるナビゲーションを駆使して、指定の距離から救助に向かいました。
実証実験の具体的な内容
実験では、車椅子が脱輪する場面や、上り坂で進めない場合、入店障害が発生するケースが検証されました。参加者の中には、実際に車椅子を利用する方々がいて、GPSで正確な位置を把握しながら、介助者がそれぞれ100m、200m、300mの地点から救助に向かいました。
視覚障がい者支援「あしらせ」
同様に注目すべきは、株式会社Ashiraseが開発した視覚障がい者向けのナビゲーションシステム「あしらせ」です。このシステムでは、靴に取り付けたデバイスが振動し、聴覚を妨げずに誘導します。実証実験では、大分県盲人協会の協力を得て、実際に視覚障がい者が「あしらせ」を使って300mの距離を歩行しました。このシステムは目的地に近づいても、建物の入口を見つけられない場合の支援ことも念頭に置かれ、「お出迎え」サービスも試験されました。
バリアフリーコンソーシアムの役割
この実証実験を推進したのは、バリアフリーコンソーシアムであり、大分県内の複数の企業と団体が連携して、障がい者が安心して外出できる環境づくりを目指しています。最終的には、実証実験の成果を基にB-SOSシステムの事業化が進められ、車椅子ユーザーの移動時に感じる不安を少しでも軽減することが期待されています。共同参加者には、大分サテライトオフィス株式会社やラムダシステム、宇宙システム開発利用推進機構などがあります。
まとめ
今回の実証実験は、スマート技術を用いた革新的なバリアフリー支援の可能性を示す重要な一歩となりました。今後もさらなる実験と改良が進む中で、多くの障がい者の生活がより豊かになることを願っています。
会社情報
- 会社名
-
株式会社minsora
- 住所
- 大分県大分市大手町1-3-4遊歩ビル302
- 電話番号
-
097-534-4123