2024年10月度アルバイト平均時給、過去最高額を更新!
株式会社マイナビが発表した「2024年10月度アルバイト・パート平均時給レポート」によると、全国平均時給は1,272円となり、3カ月連続で過去最高額を更新しました。これは前月比6円増、前年同月比48円増と、右肩上がりの傾向が続いています。
特に注目すべきは、配送・引越・ドライバー職種です。平均時給は1,380円と2カ月連続の最高額を記録し、求人件数は前年同月比で1.8倍に増加しています。これは、いわゆる『2024年問題』と呼ばれる、時間外労働の上限規制の影響と、慢性的な人材不足を反映していると考えられます。
地域別にも上昇傾向
地域別に見ても、全国7エリア中6エリアで前月比、前年同月比ともに平均時給が上昇しました。中でも、「甲信越・北陸」エリアは前月比で最も高い伸び率を示し、平均時給1,147円と2カ月連続の最高額を更新しました。「北海道・東北」エリアも前年同月比で最も高い伸び率を記録しています。
三大都市圏(東京、名古屋、大阪)では、平均時給が1,319円と調査開始以来の最高額を更新しました。特に[工場・倉庫・建築・土木]、[配送・引越・ドライバー]の職種は、人手不足の深刻さを反映するかのように、平均時給が大幅に上昇しています。
徳島県の注目すべき上昇
今月の都道府県トピックとして、最低賃金の大幅な引上げ幅が注目された徳島県を取り上げます。10月の平均時給は1,087円と、前月比で約30円の上昇を記録しました。金額自体は四国エリア内では3番目ですが、前月比上昇率はエリア内で最も高くなっています。一方、2023年10月と比較して時給が最も上昇したのは長崎県で、90円増となっています。
年収の壁問題も浮き彫りに
マイナビの調査では、アルバイト就業者の間で「年収の壁」を意識した就業調整が行われている実態も明らかになっています。平均時給1,272円で月79時間働いた場合、年間収入は約120万円となり、高時給の職種や地域では年収の壁を超える可能性があります。年末を控え、年収の壁を気にした就業時間の調整をせざるを得ないアルバイトの方もいると予想されます。
企業側にとっても、年末商戦の時期にアルバイトの勤務時間が短縮されるのは大きな痛手です。企業は賃上げだけでなく、働く人が年収の壁を気にせず働ける環境づくりが求められています。
まとめ
2024年10月度のアルバイト平均時給は、多くのエリアや職種で上昇傾向が見られました。最低賃金改定の影響や人手不足が背景にありますが、同時に「年収の壁」問題も浮き彫りになり、今後の労働環境整備が重要となることが示唆されました。政府が目指す全国平均時給1,500円という目標達成に向け、引き続きアルバイト時給の動向に注目していく必要があるでしょう。