川崎重工業の舶用エンジンに関するデータ改ざん問題の中間報告

川崎重工業の舶用エンジンデータ改ざん問題

国土交通省は、川崎重工業株式会社が製造する舶用エンジンの燃料消費率に関するデータを改ざんした問題についての中間報告を受け取りました。この報告は2023年9月27日に提供され、同社が示した調査の進捗と再発防止策に関する要点が盛り込まれています。

データ改ざんの概要

今回の問題は、川崎重工業の陸上試運転において発覚した不適切な行為に関するもので、安全性に関わる問題は確認されていません。具体的には、エンジン性能を確認するための運転試験中に、燃料消費率に関連するデータが改ざんされました。

主な改ざん手法

具体的な改ざん内容としては、674台の試験エンジンのうち588台について計測器の調整、565台でのPC内数値の変更、さらに排気温度や出力測定値も調整されたことが判明しています。
この改ざんは、顧客の要望に適合させるためや過去の製造エンジンとの整合を確保するために行われていました。

NOx規制への影響

改ざんの影響を受けた674台のうち、673台のNOx放出量のデータに影響が出ており、今後その評価方法についての検討が必要とされています。

是正措置の実施

改ざんが確認された後、川崎重工業では計測器の校正後の封印やPCのログ管理、複数の出力計測方法の実施など、さまざまな是正措置が行われています。これにより、今後の測定の信頼性を高める努力が続けられています。

国土交通省の対応

国土交通省は川崎重工業の報告を受け、さらなる調査を指示しました。同省では、NOx規制に対する影響や新たに製造されるエンジンについて、国による立ち合いの下での厳密な測定を行い、基準適合性が確認されれば証書を交付するとしています。

また、今後新たに問題が生じた場合には、厳正に対応する姿勢を示しています。これにより、顧客や関係者への信頼回復を目指すとともに、再発防止策の具体化も進めていくことが求められています。