吉野家、噛む力に配慮した新しい牛丼を発表
吉野家と株式会社ヨシダがコラボレーションし、噛む力に配慮した「やわらか牛丼の具」と「きざみ牛丼の具」を開発した。この新製品は、2025年6月21日から全国の歯科医院で販売される。この取り組みは、食事に配慮が必要な方々、特に歯科治療中の患者様に向けた新たなサポートを提供するものである。
開発背景
超高齢社会において、健康寿命の延伸は重要な課題である。歯科医療の現場では、近年、高齢による咀嚼機能の低下や、抜歯、インプラント治療、口腔外科手術後の患者が増加している。これらの方々から「食べられるものが限られている」との声が寄せられており、食事が楽しめない状況が少なくない。そこで、ヨシダはこのような食事の課題に焦点を当て、患者様に合った食の選択肢を提供し、生活の質(QOL)を向上させることを目指した。吉野家との協業によって、「いつもの美味しい牛丼を、もっと食べやすく」をテーマにした製品が誕生した。
製品の特長
この新しい牛丼の具には、次のような特長がある。
1. 選べるやわらかさ
- - やわらか牛丼の具:形がしっかりと残りつつも、歯ぐきでつぶせる「やわらかさ」を実現。
- - きざみ牛丼の具:さらに細かく刻まれていて、舌でつぶせるほどのやわらかさが特徴。
この2つの選択肢により、高齢者や抜歯後、矯正治療中の方にも対応できる。
2. 吉野家の味を再現
塩分を控えても、伝統の味はそのまま。やわらか牛丼の具は1.2g、きざみ牛丼の具は0.9gと低塩分ながら、牛肉のうま味と玉ねぎの甘みが感じられる満足感のある味わいが楽しめる。
3. 簡単・便利
常温で保存可能なレトルトパウチで、軽量なため持ち運びにも便利。袋のまま電子レンジで約50秒加熱するだけで準備完了。調理の手間もかからない。
歯科医院での販売
本製品は単なる「介護食品」以上の位置付けとして、歯科治療を受ける患者様に向けた「食のソリューション」として提案される。抜歯後やインプラント治療後の食事、矯正治療中の痛みの緩和、義歯治療中の選択肢拡大など、さまざまなニーズに応えることができる。
会社情報
- - 社名:株式会社ヨシダ
- - 代表者:山中一剛
- - 所在地:東京都台東区上野7-6-9
- - 設立:1961年
- - 事業内容:歯科医療関連の広い分野においてサポートを行っており、食事療法支援食品も提供している。
まとめ
吉野家とヨシダの共同開発による新製品は、特に食事が困難な方々に向けた優れた選択肢を提供する。今後、より多くの人々に手に取っていただけるよう、販売経路の拡大にも力を入れていく意向が示されている。これにより、患者様の毎日に少しでも安心で満足できる食事が提供されることを願っている。