OKIとトルコ国鉄:災害リスク予測の新たな一歩
8月29日、沖電気工業株式会社(通称:OKI)はトルコ国鉄(TCDD)との間で、最先端のIoT防災点検モニタリング技術を活用した実証実験に関する覚書を交わしました。この取り組みは、緊急通報システムおよび衛星画像を用いた災害リスク予測の実施を目指した非常に重要なステップです。さらに、このプロジェクトは経済産業省の令和5年度『グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金』にも選ばれています。
実証実験の意義
トルコ国内では、交通ネットワークの充実化が進んでおり、老朽化したインフラの更新が急務とされています。TCDDでは、地滑りやシンクホール、洪水などの自然災害に対する被害が深刻化しており、鉄道インフラの維持管理を強化する必要があります。この実証実験は、TCDDの安全運行を確保し、トルコや他地域の社会インフラの発展に寄与することを目指しています。
OKIのゼロエナジーIoTシリーズ
OKIの『ゼロエナジーIoTシリーズ』は、商用電源や通信工事を必要とせず、橋梁などのインフラを遠隔で監視できる革新的な技術です。このシステムは、河川の水位やインフラの傾斜、固有振動数などを測定するセンサーにより、各種データを収集します。さらに、高画質なカメラを搭載しているため、昼夜を問わず鮮明な画像を取得でき、その情報をクラウドを通じて遠隔地から容易に確認することができます。
特筆すべきは、自動通知機能が付いており、異常を素早く検知することで、インフラ管理者が迅速に判断を下せる点です。国内では既に多くの導入実績があり、その実用性と信頼性が高く評価されています。
トルコにおける展望
今後の計画としては、2026年3月末までにトルコの鉄道沿線で災害発生の検出と衛星データを活用したリスク予測の検証が行われます。この成果によって、運行の安全性と効率が向上し、地域社会の発展にも寄与することが期待されています。実際、TCDDからは、今回の協力に対する感謝の意が表明され、OKIの技術に強い信頼を寄せられています。
まとめ
OKIとトルコ国鉄との協力は、鉄道インフラのレジリエンスを高めるための重要な試みです。地理的にアジアとヨーロッパを結ぶトルコを起点に、他地域への展開も視野に入れたグローバル市場での成長が期待されています。このプロジェクトは、社会インフラの進化に向けた新たな価値を生み出す一助となることでしょう。これからの進展に注目です。