シーベジタブルが創る未来の海藻産業
2025年に設立された
合同会社シーベジタブルは、革新的な海藻事業を展開し、環境問題へのアプローチを模索しています。この度、同社は「
WIRED Innovation Award 2025」を受賞し、21のイノベーターの一つとして注目を集めています。受賞は、「海藻を通じた自然と人との良好な循環構築」という取り組みが評価された結果です。
WIRED Innovation Award 2025とは
「WIRED Innovation Award 2025」は、未来のシアワセを再定義するための革新を称えるアワードで、AI、量子技術、気候変動、人口動態など、様々な不確実性に対する解決策を探ります。アワードのステートメントには、「慣習を打破する勇気」「領域を超えた創造性」「人や愛について考え続けること」が未来の可能性を広げると語られています。
この受賞を受け、シーベジタブルの共同代表である蜂谷潤と友廣裕一は、海藻によって社会課題を解決する思想や未来の海と食文化の展望についてインタビューを受けています。
シーベジタブルの海藻栽培技術
同社は、長年の研究に基づき、従来存在しなかった海藻の種苗生産や量産技術を確立しました。これにより、10種類以上の海藻を量産することに成功しています。さらに、全国の沿岸自治体や漁業者と連携し、新たな海藻産地の創出にも取り組んでいます。
シーベジタブルのラボには、将来的に量産の可能性を持つ海藻が100種類以上保管されています。日本各地で海藻の採取・分類を行ってきた専門家や種苗培養のスペシャリストが集結し、基礎研究から栽培技術の確立に取り組んでいます。2016年には、世界で初めて地下海水を用いた青のりの陸上栽培に成功し、2020年からは海藻を海で育てる海面栽培にも着手しています。
海藻産業の新たな可能性
シーベジタブルは、日本各地で企業や自治体と協力した海藻栽培の実証実験を進めています。海藻を利用した養殖藻場の造成や陸上栽培の新しい方法を確立することで、持続可能な地域づくりを目指しています。また、企業版ふるさと納税を活用した海藻栽培にも取り組んでいます。このような取り組みを通じて、地域と海の未来を育むパートナーシップを築いています。
養殖藻場とは、海藻を海中で育てることで生態系を豊かにする仕組みで、持続可能な水産業の実現をサポートします。シーベジタブルは、地域の自然環境や産業構造に合わせた多様なプロジェクトを立ち上げ、海の生態系の再生と持続可能な地域発展を同時に実現することを目指しています。
SEA VEGETABLE Co Creation Project 2025
シーベジタブルは、「
SEA VEGETABLE Co Creation Project」という共創プロジェクトを通じて、海藻による海の生態系回復と新しい食文化の創造を目指しています。来期第2期のプロジェクトは12月からの募集予定ですので、詳細は公式ウェブサイトをチェックしてください。
シーベジタブルの展望
合同会社シーベジタブルは、研究者から料理人まで各分野のスペシャリストが集まり、基礎研究・種苗生産・栽培から料理開発まで一貫して行っています。海藻が減少する海の生態系を豊かに育みながら、新たな海藻の食文化を生み出すことにも力を入れています。これからもシーベジタブルの活動にご期待ください。