障害を持つ方へ寄り添う服直しサービスが新たに生まれ変わる
千葉県習志野市に本社を構える株式会社コワードローブは、障害や病気を抱える人々のための服お直しサービス『キヤスク』の公式ウェブサイトを全面的にリニューアルし、ウェブマガジンと特別ムービーを公開しました。これにより、障害や病気を持つ方々が「着たい服」を実現する手助けをすると同時に、服の背景にあるストーリーを発信することを目指しています。
リニューアルの背景
『キヤスク』は、サービス開始から3年以上が経過し、2025年7月には1,500着以上のお直しを手掛けてきました。私たちが気づいたのは、服を直すことは単なる作業ではなく、その中にはお客様やスタッフとの間に築かれるストーリーが存在するということです。このストーリーには、障害や病気を持つ方々と社会とを結びつける重要なヒントが含まれています。
従来、アパレル産業は「ユーザーが健常者である」という前提で構築されてきました。しかし、服は本来、全ての人々の生活や自己表現を支えるものであるべきです。つまり、取り残される方々が存在する現実を私たちは見逃すことができません。そこで、リニューアルされたウェブサイトでは、障害のある方々の物語を発信するための新コンテンツを充実させました。
新たなコンテンツの詳細
2025年10月23日に公開された新しいコンテンツは、以下の3つの主要な部分から成り立っています。
1.
A Piece of Me.
服が変わり、心が動き出したお客様の物語を紹介するウェブマガジンです。お直しされた服の変化と、それに伴う心の変化を伝えます。実際のお客様の言葉を大切にしながら展開しています。
2.
キヤスト 〜想いを縫うしごと。〜
お直しの現場で働くキヤストたちのドキュメントムービーです。彼らの想いや技術、大切にしている価値観に焦点を当て、お客様との絆を深く感じることのできる作品となっています。
3.
キヤスクのビジョン
すべての人が着たい服を当たり前に着られる社会を目指すキヤスクの思いや、企業への共創メッセージについてまとめてあります。
アパレル企業への支援と新たな市場の創出
キヤスクは、これまでのお直しを通じて蓄積した知見を活かし、アパレル企業へ向けたインクルーシブ製品開発支援や、購入後のお客様に向けたお直し対応支援も行っています。こうした支援は、企業にとって新たな市場を開拓するだけでなく、顧客満足の向上にも寄与します。
特に、インクルーシブ製品開発支援では、企業が既存の人気商品に障害を持つ方々の声を反映することで、売れる確率を高めることを手助けします。また、購入後対応支援により、企業は在庫を抱えることなく、既存商品での対応が可能となります。
社会の中での役割と想い
キヤスクの代表・前田哲平さんは、お直しを通じて多くの方々が「好きな服を着られるようになった」という喜びの声を耳にし、このサービスを続けて良かったと実感しています。リニューアルされたウェブサイトは、そうした声や価値を形にしたものであり、より多くの人に届けたいという想いを反映しています。
最終的な目標は、誰もが「好きな服を着たい」という願いが実現する社会を築くことです。そのためには、企業との協力が不可欠です。キヤスクは、志を持つ企業がどのように応えていくかを共に考え、支援を続けていきます。
まとめ
『キヤスク』の新しいウェブサイトのリニューアルは、単なるサービスの更新に留まらず、障害や病気を抱える方々がファッションを楽しむための新たな舞台を作り出すことを目指しています。これにより、より多くの人々が「着たい服」を諦めることなく、自由に自己表現ができる社会の実現に向けて、一層の期待が寄せられています。
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