三友システムアプレイザルの地価予測指数とは?
株式会社三友システムアプレイザルは、148名の不動産鑑定士へのアンケートを基にした「三友地価予測指数」を発表しました。この指数は、国内の不動産市場の動向を把握するために役立つ指標となっています。具体的には、商業地や住宅地の地価の動向についての評価を行いつつ、全国各地の主要都市や地方都市の市場状況に関する定性的なレポートも含まれています。
調査結果の概要
商業地に関する分析
2025年4月の調査によると、商業地では東京圏が86.1、大阪圏が81.3、名古屋圏は75.0という結果が出ました。特に東京圏は前回の84.6から上昇しており、上昇気運が高まっていることが分かります。対照的に、大阪圏と名古屋圏は前回から依然としてトーンダウン傾向にあります。国際的な動向では、トランプ関税による影響で世界的に株安が進行しており、これが不動産市場にも影響を与えているため、今後の予測には慎重な態度が求められています。
住宅地に関する分析
住宅地では、東京圏が78.8、大阪圏は76.8、名古屋圏は74.9という値が記録されました。これまた、東京圏と大阪圏は下落傾向にある一方で、名古屋圏は上昇に転じています。しかし、将来的にはこれらの地域いずれも慎重な見方が続く見込みです。
インバウンドの恩恵と課題
特に商業地においては、外国人観光客の増加によって大きな経済効果が生まれています。2024年の訪日外国人は約3,700万人に達し、消費額も8兆円に上る見込みです。しかし、住宅地方面ではオーバーツーリズムの影響が問題となっており、地域住民による苦情が増加している現状があります。これにより、住宅地としての価値が下がることが懸念されています。
セキュリティ向上の必要性
最近は、強盗事件の増加が住宅へのセキュリティ要求を高める要因ともなっています。特に戸建住宅では、環境性能だけでなく防犯機能の充実が求められており、「ゼロ・エネルギー・ハウス」などの導入が進められています。さらに、都市圏ではIT関連のスタートアップ事業が増えており、中小規模ビルのリノベーションが増加する傾向にあります。
まとめ
三友システムアプレイザルが実施したこの調査は、地価の未来予測を立てる上で非常に重要な役割を果たしています。商業地と住宅地の動向を理解することで、投資家や住宅購入者は適切な戦略を立てることができるでしょう。今後も不動産市場の動向には注目が必要です。