見えない貧困を伝える調査記録
認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン(以下、GNJP)は、2017年から低所得のひとり親家庭を支援するためにフードバンク「グッドごはん」を運営しており、最近「グッドごはん」を利用している家庭を対象にした実態調査の一覧を公式サイトで公開しました。これにより、ひとり親家庭が直面する厳しい生活環境と、それに関する具体的なデータを手に入れることができるようになります。
調査の背景と目的
GNJPの取り組みは、生活に困窮しているひとり親家庭に対する食品支援として始まりました。そして、その活動の中で、家庭の実態を把握するために定性的・定量的な調査を定期的に行ってきました。調査内容は、食事の質、家庭収入、孤立感、子どもの体験機会など、多岐にわたります。
これらの調査結果を一元化して公開することで、貧困という問題が特定の人々のものではなく、私たち全員に関わる社会的な課題であるという認識を広めることが目的とされています。実際に、見えない貧困の実態を透視し、ひとり親家庭に寄り添った支援を行うGNJPの成果は、社会の理解を深め、行動を促す要因となることを期待しています。
調査結果の詳細
公開されている調査結果には、多くの家庭が抱える悩みが表れています。たとえば、2025年6月には学校の長期休み期間中の生活状況を調査した結果が出る予定であり、また2024年の調査では収入や養育費について詳しく分析されているものがあります。これらの情報が公開されることで、各家庭の生活の実態をリアルに理解できる資料となるでしょう。
フードバンク「グッドごはん」の利用状況
「グッドごはん」はひとり親家庭を対象にしており、医療費受給者証を持つ所得が限度額未満の家庭に対して毎月無料で食品を提供してきました。2017年9月から始まったこの事業は、これまでに延べ13万を超える世帯に支援を行っており、首都圏や近畿、九州を中心に約40か所の配付拠点でお米や調味料、レトルト食品などを提供しています。食品は企業や個人からの寄付によって集められ、約10,000円相当の食品が家庭に届けられています。
メディアや関係者への呼びかけ
GNJPは、調査結果の活用や取材に関する問い合わせを常時受け付けており、メディアとの連携を通じて発信したいとの考えを示しています。社会課題の可視化を進め、より多くの人に貧困問題を理解してもらうために、共同で取り組む姿勢が求められています。また、調査結果をもとにした議論や提言の材料としても利用してほしいと呼び掛けています。
まとめ
GNJPが行った低所得ひとり親家庭に関する調査の結果は、ただの数字ではなく、当事者の声を聞くための貴重な資料です。こうして見えない貧困の実態が明らかにされることで、社会全体がこの問題に目を向け、解決のための行動を起こす機会が増えることが期待されています。今後もGNJPの取り組みから目が離せません。