アイラトと住友商事が手を組む
京都に本社を置くアイラト株式会社(以下、アイラト)は、住友商事株式会社と海外における独占代理店契約を締結したことを発表しました。この新たな連携を通じて、アイラトは主にアジア市場に向けたAI計画ソフトの販売を目指します。具体的には、2026年以降に製品を展開し、がん患者への貢献をさらに強化していく予定です。
放射線治療の進化とAIの役割
アイラトが開発しているAIによる治療計画支援ソフトは、がん放射線治療の中でも特に精度が求められる強度変調放射線治療(IMRT)に特化しています。近年、高齢化の影響もあり、身体的負担が少なく済む治療法として放射線治療が再評価されています。しかし、IMRTは治療成績のばらつきと医療スタッフの不足という2つの大きな課題を抱えています。これらを解決するために、アイラトはAIを活用した放射線治療計画ソフトを開発し、国内外での展開を進めています。
目指す先はアジア市場
今回の提携により、アイラトは住友商事の広範なネットワークを利用し、アジア圏の医療機関へのAIソフト導入を加速させる考えです。IMRTは確かに効果的な治療法ですが、経験により治療成績が異なること、そして医療スタッフの負担が大きいことが、その普及の妨げとなっています。アイラトのAIソフトは、これらの業務を自動化し、かつて6時間かかっていた業務を10–20分で完了させることが可能です。
放射線治療の未来を拓く
放射線治療計画AIソフトは、腫瘍や正常な組織の輪郭抽出、照射領域の決定、安全性の検証といった重要な作業を自動化し、治療の精度を向上させます。つまり、より多くの患者が安心してIMRTを受けられる環境を整えられるのです。アイラトは「放射線治療ですべてのがん患者を救う」というミッションを掲げ、これからもその取り組みを続けていくとしています。
結論
住友商事との提携は、アイラトにとって新しい挑戦であり、医療分野における革新を実現するための大きな一歩です。様々な課題を抱えるがん治療に対し、AIテクノロジーを駆使し、国内外の医療機関へのソリューション提供を進めることで、がん患者の希望になることを目指しています。