2024年7月M&A市場動向
2024年7月のM&A市場は前年同月と同じ74件の取引を記録しました。この半年間の累計件数は681件となり、昨年の575件を106件上回るペースで進行しています。取引金額も増加しており、7月の合計金額は2622億円と前年同月の1570億円を大幅に超えました。しかし、全体としては取引の規模が小さく、10億円以上の案件はわずか6件のみでした。
特に注目を集めたのは、調剤大手アインホールディングスによるインテリア・雑貨店のFrancfrancの買収です。この取引は499.7億円で成立し、アインホールディングスはコスメを中心に医薬品を展開するビューティーショップ「アインズ&トルぺ」のリテール事業をさらに強化する狙いがあります。
7月のM&A動向
7月のM&Aでは特に資本効率の向上を目的とした子会社の売却が目立ちました。その中でも、アドバンテッジパートナーが古河電池に対して行ったTOB(公開買付け)が一例です。古河電池は382.6億円でアドバンテッジパートナーズの提案を受け入れることを決定しました。
主要企業の取引内容
では、7月のM&Aで顕著な取引をまとめましょう。
1.
横浜ゴム
取引内容: 米国のグッドイヤーから鉱山及び建設機械用タイヤ事業を取得
取引金額: 1424億円
詳細: 横浜ゴムは、農業や林業向けなどのオフハイウェイタイヤ(OHT)の事業拡大に向けて、建設用車両向けのビジネスを強化する計画です。
2.
アインホールディングス
取引内容: Francfrancを子会社化
取引金額: 499.7億円
詳細: 医薬品を展開するアインは、Francfrancの獲得でリテール部門の拡充を目指します。
3.
古河電池
取引内容: アドバンテッジパートナーズのTOBを受け入れ
取引金額: 382.6億円
詳細: 古河電気工業の資本構成見直しを受けた古河電池は、TOBを前向きに受け入れました。
4.
燦ホールディングス
取引内容: 「家族葬のファミーユ」を展開するきずなホールディングスをTOBで子会社化
取引金額: 149.8億円
5.
J.フロントリテイリング
取引内容: 大丸心斎橋店南館の建物取得
取引金額: 83.9億円
6.
プラスアルファ・コンサルティング
取引内容: オーエムネットワークを子会社化
取引金額: 17.2億円
結論
今回のM&Aレポートが示す通り、企業間の取引は活発に行われていますが、その規模は少しずつ変化していることが見受けられます。全体的には、効率的な資本運用を目指す企業の動きが見られ、特に小規模の買収が今後も続くと考えられます。M&A Onlineでは、今後の動向についても引き続き注視し、関連情報を発信していきます。