国立アイヌ民族博物館の新館長就任について
国立アイヌ民族博物館に新しい館長が就任することが決まりました。2025年7月1日より、野本正博氏がその職務を引き継ぐことになります。野本氏はこれまで民族共生象徴空間運営本部副本部長として活動しており、アイヌ文化の伝承に多大な貢献をしてきました。
野本正博氏の経歴
1963年3月に生まれた野本氏は、北海道の白老町出身です。1985年にポロトコタン(旧アイヌ民族博物館)に勤務を始め、その後は事業部学芸課長や館長としてアイヌ文化の振興に尽力してきました。特に2012年には国立アイヌ民族博物館の構想づくりに携わるなど、アイヌ民族の文化と歴史を後世に伝えるための基盤づくりに尽力しました。また、展示制作面でも、スミソニアン国立自然史博物館特別展に参加した経験があり、国内外でアイヌの文化展を数多く企画・制作しています。
館長就任の背景
新館長就任を前に、野本氏は「次の10年を見据え、新たな価値観を築く場として活動していく」と意気込みを語っています。彼の就任は、ウポポイ(民族共生象徴空間)の開業から5年が経過し、より多くの人々にアイヌ文化を知ってもらう機会を創出する重要なステップです。コロナ禍での開業当初は静かなスタートとなりましたが、通常の運営を取り戻しつつある中で、新たな革新が求められる時期にあります。
国立アイヌ民族博物館の役割
国立アイヌ民族博物館は、アイヌ民族の歴史や文化を尊重し、それを未来に引き継ぐための重要な施設です。この博物館は、アイヌ民族の視点から「私たち」という観点で展示を行い、アイヌ文化の復興と創造を促進しています。また、ウポポイはアイヌ文化の伝承・理解を目的とした施設として2020年に開業し、国立アイヌ民族博物館がその一部として機能しています。
施設の情報
国立アイヌ民族博物館は北海道白老町に位置し、JR白老駅から徒歩で約10分というアクセスの良さがあります。入館するためにはウポポイのチケットが必要で、大人1200円、高校生600円の料金が設定されています。さらに、特別展示には別途料金が発生する場合もあるので、事前にホームページなどで確認することをお勧めします。
博物館は毎日9時から17時まで開館しており、月曜日と年末年始には閉館しますが、特別な開館日も設けられているため、訪問を検討している方は公式サイトをチェックすると良いでしょう。
まとめ
新館長となる野本正博氏は、アイヌ文化のさらなる発展を目指して様々な取り組みを行っていく予定です。国立アイヌ民族博物館は、その役割を果たし続け、日本の文化的多様性を促進していくことが期待されています。アイヌ文化を未来へとつなげるために、私たちもこの重要な文化施設への訪問を通じて、理解を深めていくことが大切です。