掛川市における水道管劣化診断サービスの導入
掛川市は現在、水道インフラの老朽化とその維持管理に悩まされています。この状況に対処するため、NTTビジネスソリューションズ(NTT BS)とFracta Japan(Fracta)が共同で、AIを活用した水道管劣化診断サービスを導入しました。本記事では、その背景や詳細、今後の展望について解説します。
1. 水道事業の現状と課題
掛川市の水道事業は2025年に104年を迎え、現在では管路の約20%が耐用年数を超えています。給水人口の減少や節水機器の普及などにより、有収水量は2005年の43,975m3/日をピークに減少し続け、2040年には35,400m3/日まで落ち込む見込みです。このため、水道料金の収入は減少し、廃管の更新率も低下傾向にあり、2024年度末には全体の18.7%が法定耐用年数を超えることが予測されています。
さらに、水道課の職員数はピーク時から22%減少しており、1人当たりの業務量が増加しています。これにより、管路の更新や漏水対応などのインフラ維持がますます困難になっています。こうした背景から、NTT BSとFractaはAIによる劣化診断を導入し、持続可能な水道事業の確立を目指すこととなりました。
2. AIによる劣化診断サービス「AIEyes」
新たに導入される「AIEyes」は、従来の診断方法を革新するものです。このAI診断サービスは、水道管のデータや漏水履歴、環境のビッグデータ、他自治体の学習データを活用し、管路ごとの破損確率を算出します。この結果に基づき、更新計画を見直すことで、より効率的な投資が可能となります。また、漏水のリスクを可視化することで、漏水防止や維持管理を効率化することも期待されています。
3. 各社の役割
NGT BSはプロジェクトの統括及び導入支援を行い、Fractaは「AIEyes」の提供と技術開発を担当します。両社が連携することで、より効果的な水道管の診断を実現しています。
4. 今後の取り組み
NTT BSとFractaは、今回のAI診断サービスに基づく分析を進め、得られた知見を活かして更なるサービスの高度化を目指します。AIを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、持続可能な社会インフラの維持に繋げていく計画です。これにより、効率的なアセットマネジメントを強化し、持続可能な水道事業の実現に貢献していきます。
5. お問い合わせ
本件についての詳細は、NTTビジネスソリューションズ株式会社 静岡ビジネス営業部へご連絡ください。
以上、掛川市におけるAIを活用した水道管劣化診断の導入についてお伝えしました。この取り組みが、今後の水道事業の持続可能性を高めることが期待されます。