床面ひび割れ検知ロボット「Floor Doctor」について
株式会社イクシスが2019年5月20日にリリースした「Floor Doctor」は、業界初の手動式床面ひび割れ検知ロボットです。これは特に大型施設で使用されるもので、荷物倉庫やプラント、大型ビルなどの床面の状態を効率的に検査するために設計されています。
本ロボットの主な機能は、床面の損傷画像を位置情報と組み合わせて取得することです。このデータは、構造物の図面と重ねて表示することが可能で、業務の効率化に寄与します。これまで、夜間など業務が滞っている時間に歩きながら損傷のチェックを行っていた技能者の作業を補助します。
特徴と利点
Floor Doctorにはいくつかの重要な特徴があります。
- - 移動距離測定用センサー: ロボットの車輪には移動距離を計測するセンサーが搭載されており、撮影時に正確な位置を把握します。
- - 赤色レーザー表示: 撮影範囲を視覚的に示す赤色レーザーが搭載されており、どの範囲を撮影するかを容易に確認できます。
- - ライブカメラ確認: 手元のライブカメラを使用して、撮影状況をリアルタイムで確認しながら作業できます。
- - レーザー光ガイド: 移動時のズレを防ぐため、レーザー光によるガイドが提供されています。これにより直線的な移動が確保されます。
さらに、収集したデータはAI技術を活用して損傷判定を行い、検査報告書の作成時間を大幅に短縮する役割も果たします。こうした技術革新により、点検業務の品質も確保されています。
対象業務とその課題
本ロボットは、大型物流倉庫やプラント、大型ビルにおける点検業務を中心に適用されることを想定しています。この分野では、工期が短く、点検のための時間が限られることが多く、また夜間の点検において技能者を確保することが難しいなど、さまざまな課題が存在します。さらに、技能者の技量により撮影の質にバラツキが生じやすく、撮影漏れが発生すれば再作業が必要になることもあります。
Floor Doctorの導入することで、こうした課題の緩和が期待されます。シンプルなメカニズムでありながら、さまざまなカスタマイズが可能なため、床面以外の検査業務への適用も視野に入れています。
今後の展開
株式会社イクシスは、今後も社会や産業インフラ向けに点検ロボットとデータ解析サービスの普及を目指しています。老朽化したインフラや熟練技能者の減少といった社会的課題に貢献するために、さらなる技術革新を進めてまいります。
製品概要
- - 外形寸法: 幅930 x 奥行1100 x 高さ965 [mm] (突起部除く)
- - 重量: 約20kg
- - 搭載カメラ: Canon EOS 5D Mk.4 + EF16-35mm F2.8L III USM
- - 移動量計測分解能: 10mm
展示会と発売情報
「Floor Doctor」は、2019年5月22日から24日に開催される「CSPI-EXPO(建設測量生産性向上展)」に出展される予定です。発売は2019年7月から予定されており、価格についてはオープン価格となる見込みです。
会社概要
株式会社イクシス
- - 設立: 1998年6月
- - 所在地: 神奈川県川崎市幸区新川崎7-7 AIRBIC内
- - 代表者: 山崎文敬、狩野高志
- - ミッション: ロボットとテクノロジーで社会を守る
- - 事業内容: 点検・業務用ロボット及び特殊環境対応型ロボットなどの開発・販売
今後の技術進化で、床面検査の業務がよりスムーズに行えることを期待しています。