健康的な口腔状態が脂肪肝予防に果たす重要な役割とは

口腔健康が脂肪肝予防に果たす役割

研究の背景

サンスターグループは自治医科大学との共同研究を行い、代謝機能障害を伴う脂肪性肝疾患（MASLD）に関しての調査を実施しました。近年、食生活の欧米化とともに日本国内でも脂肪肝患者が増加しており、その数は2000万人を超えるとされています。このMASLDは治療や予防が重要で、口腔の健康がそれに影響を与える可能性があるのではないかという疑問から本研究が始まりました。

研究の方法

研究には、自治医科大学病院に通院するMASLD患者19名（平均年齢54.1歳）と、健常者26名（平均年齢48.4歳）が参加しました。口腔に関連する問題が生活の質（QOL）に及ぼす影響を調査するため、一般口腔健康評価指標（GOHAI）を使用し、顎の運動や発音、食べることに関する能力も測定しました。さらに、口腔洗浄、虫歯、歯周病の状態、機能的な歯の数をも考慮し統計的な分析を行いました。

研究結果

調査の結果、MASLD患者は健常者と比べてお口の問題が日常生活に与える影響が大きいことが確認されました。特に食事や会話などの機能面において有意な差が見られ、口腔衛生の状態や歯周病の進行度とも強い関連がありました。興味深いことに、しっかり噛める歯の本数が多いほど、MASLDのリスクが低くなるという結果が得られました。口腔機能の維持が健康にどれほど重要であるかを再認識させるものです。

口腔健康の重要性

研究の示す通り、MASDL患者の多くは、口の中の問題が生活の質に大きく影響していることを実感していると考えられます。これにより、口腔の健康が全身の健康に直結することが明らかになりました。特に、しっかり噛める歯を保っていることが、代謝機能障害を伴う脂肪肝のリスクを低減させる一因となっている可能性があるのです。これ以上の研究が進むことで、医科と歯科の連携した新しい医療体制の構築が期待されます。

結論

本研究の結果は、口腔の健康状態が脂肪肝予防において重要な役割を果たす可能性を示しています。健康的な食生活や運動に加えて、口腔ケアも重要視することで、より良い生活の質を保持できるでしょう。サンスターグループは今後も、口腔健康を起点とした全身の健康増進のための情報発信を続けていく所存です。皆さんも日々の口腔ケアを怠らず、健康な生活を目指してください。