中堅社員の成長実感調査、明らかにした「仕事の完遂」の重要性
最近、ALL DIFFERENT株式会社とラーニングイノベーション総合研究所が行った調査で、中堅社員(社会人5年目〜11年目未満)の成長実感に関する興味深い結果が発表されました。この調査は800人の中堅社員を対象に、彼らがどのように仕事を通じて成長を感じているのかを探るものです。
調査の背景と目的
ミドルキャリアと言われるこの世代は、キャリアの中で重要なターニングポイントを迎えており、仕事に対する価値観が変わることが多いです。特に、社会人8年目になると、成長に関する感覚が変化することが確認されており、企業はこの世代の定着と活躍を促進するために、彼らがどのように成長を実感できるかを理解することが求められています。
調査結果の概要
結果として約半数の中堅社員が「とてもよくある」と「たまにある」という形で成長実感があると回答しました。特に、「仕事を完遂すること」や「目標を達成すること」が、その成長感覚に大きな影響を与えています。
成長を実感する場面
成長を実感する瞬間についての質問では、「仕事を完遂したとき」が42.3%と最も多い割合を示しました。また、「目標を達成したとき」が31.4%という結果も示しており、仕事をやり切った体験から成長を感じる傾向が強いことがわかります。
難しい仕事経験の影響
さらに、「難しい仕事の経験頻度」が成長実感にどのように関わっているかを分析したところ、難しい仕事を多く経験している社員ほど、「成長を実感する機会がある」と答えた割合も高いことがわかりました。特に、難しい仕事を全く経験していない社員の中では、44.9%が成長を感じる機会が「全くない」と回答しており、課題が浮き彫りになりました。
年次別の成長実感
調査では、社会人8年目が一つのターニングポイントであることも示されています。社会人5年目から7年目までは成長実感が増加していますが、8年目にはその割合が急激に低下します。この現象は、労働市場の変化や社会的期待の変化によるものかもしれません。
自身の成長に寄与した要因
成長に寄与した要素の調査では、「職場の雰囲気・文化」が29.1%で最も多く、次いで「上司からのサポート」が20.4%という結果が出ました。特に良好な職場環境が成長を促進する要因であることが強調されています。
ストレッチアサインメントの重要性
この調査を受けて、企業が中堅社員に必要とする育成戦略として「ストレッチアサインメント」の重要性が際立っています。この理念は、彼らにより難易度の高い仕事を任せることで成長を促すもので、現場の管理職に対しても中堅社員の育成の重要性を伝える必要があるでしょう。
具体的な取り組み
ストレッチアサインメントを実施するには、次のような方法があります:
1. 定期的に担当業務とその難度を洗い出し、どの業務がストレッチな仕事になるかを明確にしましょう。
2. 中堅社員自身のキャリア志向を確認し、業務をアサインする際に期待される成果を明確に伝えましょう。
3. 難しい業務を選定し、成長を目的としたアサインを行いましょう。
4. ストレッチな業務を任せる際には、その意図を明確にし、実施後も必要に応じてサポートを行う体制を整えます。
まとめ
本調査からは、中堅社員が成長を実感するには「仕事の完遂」が重要であることや、難しい仕事を経験することがその成長感を促す要因となることが明らかになりました。また、環境やサポートも成長を左右する重要な要素であることが示されました。企業はこれらを踏まえた育成戦略を導入し、中堅社員の成長を支援していくことが求められます。