Z世代のコミュニティ実態調査から見える人間関係の新潮流
最近の調査結果によると、Z世代(1997〜2012年生まれ)はコミュニティとの関わり方が大きく変化しています。株式会社プレマシードが実施した「Z世代のコミュニティ実態調査」から、その顕著なトレンドが浮かび上がりました。調査では、特に2002〜2010年生まれの高校生に焦点を当て、彼らのコミュニケーション手段や関係性について明らかにしています。
調査結果の概要
調査は2025年8月8日から8月18日まで実施され、600名の高校生に対して行われました。その結果、彼らの友人関係には以下のような傾向が見られました。
1. コミュニティの主流は学校
調査によると、91.3%の高校生が友人がいるコミュニティとして「学校」を選んでおり、次いで「近所」が25.5%、家族や親戚が18.7%、オンラインコミュニティが11.2%という結果に。このデータから、学校という場が依然として重要な社交の場である一方、オンラインコミュニティの存在も無視できないことがわかります。
2. オンラインでのつながりの評価
また、SNSを通じて出会った「リアルでは会ったことのない人」との関係について、82.2%が「趣味や推しの話が合えば、十分親しくなれる」と回答しました。一方で、81.7%が「会ったことのない人と関わるのは不安を感じる」とも述べており、Z世代はオンラインでの交流に対して期待と不安の両方を持っていることが浮き彫りになりました。
3. 深い関係と表面的な関係
興味深いことに、70.6%が「狭く深い関係が多い」としつつも、87.0%が「深い話はしない友達がいる」と回答。この結果は、Z世代が選択的に関係性を築き上げていることを示しています。浅い関係性と深い関係性が共存する様子が見受けられます。
4. SNS利用の実態
SNSにおいて、70%を超える高校生が「Instagram」を利用し、半数以上が「X(旧Twitter)」を使っていることが判明。複数のアカウントを持つ理由として、友人や家族向けと趣味専用の使い分けが挙げられています。これは、自分自身のコミュニケーションスタイルに合わせた柔軟性を求めているZ世代の特性を表しています。
5. 孤独感とコミュニケーション疲れ
調査では、自己肯定感が低下していると34.0%が感じており、周りに話せる友人がいないと32.5%が回答。また、多くがコミュニケーションに疲れやめんどくさいと感じることもあるようです。特に、急かされるような連絡が来た際にはストレスを覚える傾向が強いようです。
まとめ
プレマシードの調査結果を見ていくつかの大きなトレンドが浮き彫りになりました。Z世代は、オンラインコミュニティの重要性を認識し、リアルとオンラインの垣根を越えた人間関係を形成しています。自らの選択によって関係を深めたり浅くしたりする傾向が強い彼らは、適度な距離感を求めており、このことが彼らの社会的交流のスタイルに大きく影響していることがわかります。こうした変化は、これから高校生になるα世代にも引き継がれる可能性があります。