救命現場を支える「バイスタンダーサポートサイト」が注目を集める
NPO法人AQUAkids safety projectの救命事業部が、JR西日本あんしん社会財団からの助成を受けて開設した「バイスタンダーサポートサイト」が、今月でオープンから半年を迎えます。このサイトは、救急の日にあたる2024年9月9日に始まり、これまでに寄せられた相談件数が増加していることから、バイスタンダー(救命現場に居合わせた人)への心のケアの重要性が再確認されています。
救命現場の新たなメンタルケア
「バイスタンダーサポートサイト」は、救命現場に居合わせ、不安や葛藤を抱える人々へ向けて心の整理を支援するために設立されました。オンラインで提供される無料カウンセリングは、バイスタンダー特有の悩みや不安に寄り添い、60分間のセッションを通じて、相談者が抱える心の苦痛の軽減を目指しています。
この支援サイトの特徴は、資格を持ったカウンセラーとの対話が可能であること、バイスタンダー経験者とのコミュニケーションが図れること、救命手当に関する質問ができる点、さらには身近な人がバイスタンダーになった際のサポートについても相談できるところです。
半年間の成果
開設から半年の間に寄せられた相談件数は9件、問い合わせ件数は6件に上ります。また、22団体と連携していることから、今後のサポート体制が強化される見込みです。サイト訪問者の平均滞在時間は8分となっており、多くの訪問者がじっくりと情報を収集していることがうかがえます。
オープン半年という短い期間ですが、以下の3つの視点が浮き彫りになりました。
1. バイスタンダー経験後に悩んでいる人が存在すること。
2. 悩みを抱えるバイスタンダーは、相談窓口を探していること。
3. バイスタンダー特有の悩みは、心療内科などでも理解されにくいこと。
これらの点は、今後のサポート体制の改善に向けた重要な課題に繋がります。
利用者の感想
「友人や家族に話すよりも、同じような経験を持つ方に共感してもらえたことが、自分の心に温かさを感じさせてくれました。」という声からも、バイスタンダー同士の理解が、支え合いの輪を生むことを証明しています。
今後の取り組み
今後、より多くのバイスタンダーがこのサポートサイトにアクセスできるよう、全国の自治体や消防、企業との連携を強化していく方針です。また、センシティブな分野であるため、バイスタンダーへの支援の適切な実施を目指す取り組みも推進していきます。
このような取り組みが広く知られることで、より多くのバイスタンダーが必要なサポートを受けられる環境が整うことを期待しています。救命現場で出会う苦悩や葛藤の解消に向け、ぜひ取材を通じてこのテーマに光を当てていただけると幸いです。