大阪府内小学校でエコラベル学習キットが配布
株式会社日本総合研究所が、大阪府と協力し、脱炭素に向けた学びを推進しています。2023年10月24日から、大阪府内の小学校にて、エコラベルやカーボンフットプリント(CFP)について学べる「エコラベル学習キット」が配布されることが決まりました。この取り組みは、約21万人の4~6年生を対象に実施され、さらには一部の学校で出前授業も行われる予定です。
このプロジェクトは、大阪府知事の吉村洋文氏や株式会社三井住友銀行の福留朗裕頭取との連携協定に基づくもので、脱炭素に向けた行動変容を促進する目的で実施されます。市民の生活に根ざした環境教育を通じて、地球に優しい選択を促します。
背景と目的
エコラベルは、環境に配慮した製品やサービスを示す重要な指標ですが、多くの消費者にとってその認知度は依然として低い状態です。日本総研のグリーン・マーケティング・ラボ(GML)では、エコラベルとCFPの理解を深めるため、楽しく学びながら日常生活に取り入れられるようなアプローチが必要と考え、新たに学習キットを開発しました。
この試みは、消費者がエコラベルを意識した商品選びをするきっかけを提供し、結果として環境への負荷を減らすことが期待されています。また、学びを通じて、子どもたちだけでなく、保護者の環境意識の向上も目指しています。
エコラベル学習キットの内容
このエコラベル学習キットには、認証団体やCCNC参加企業による10種類のエコラベルを紹介する内容が含まれています。具体的には、子どもたちは実際に製品や店舗を訪れ、エコラベルを見つけるワークシートに取り組むことになります。この活動を通じて、買い物の際にエコラベルを確認する習慣が身につくことを狙っています。
実施した先行調査では、子どもたちがエコラベルについて学ぶことで、保護者の意識も変わりつつあることがわかっています。「包装を気にするようになった」「子どもと一緒にラベルを探すようになった」といった声が寄せられています。これは、家庭内での環境に対する意識を醸成する一助となるでしょう。
カーボンフットプリントの普及
さらに、大阪府とCCNC参加企業は「大阪版カーボンフットプリントラベル」と「アスエネCFP算定ラベル」という2種類のCFPを導入。これらを通じた啓発活動が進められています。CFPは、商品のライフサイクル全体での温室効果ガス排出を可視化し、消費者に選択の参考を提供するものです。
減CO2アプリの展開
エコラベル学習キットに加え、子どもたちと保護者に向けた無料の「減CO2アプリ」が用意されています。このアプリでは、24種類のエコラベルを探索する機能や、撮影・スタンプラリー形式で記録を残すことができます。「ゲンコツチョイス」と題した環境配慮型の商品情報や、脱炭素に関するクイズを通じて、楽しみながら学ぶことができる内容となっています。
大阪府との協働施策
日本総研は、大阪府が推進する「おおさかカーボンフットプリントプロジェクト」と密接に連携しながら、今後の施策展開を行います。具体的には、エコラベル学習キットの配布や、アプリの利用促進、出前授業の実施などが行われる予定です。これにより、府民の脱炭素行動の変化を後押しすることが期待されます。
効果検証と今後の展望
施策の効果については、利用者へのアンケート調査やデータ分析を通じて検証を行い、その結果を基にさらなる改善を目指します。詳細な情報は、日本総研とGMLのウェブサイト上で発表される予定です。
この取り組みを通じて、大阪府内の子どもたちが環境について学び、未来に向けた持続可能な社会の構築に貢献することが期待されています。